1951年にフィン・ユールがデザインした「カクテルベンチ」は、1950年代アメリカの華やかなカクテルパーティ文化から着想を得た作品です。経済成長とハリウッドの高揚感に満ちた時代を、ユールはアメリカの友人たちを通じて肌で感じ、その印象をデザインへと昇華させました。丸型のカクテルテーブルとともに発表されたこのベンチは、当時のグラマラスな雰囲気をまといながらも、日常的に使いやすい実用性を備えています。
素材には無垢のウォルナットまたはオークを使用し、繊細なディテールと美しい丸みを帯びたコーナー、そして細やかな角度の組み合わせが、時代を超えて愛される優雅な佇まいを生み出します。ユール自身の自邸でも使用されており、ベンチとしてはもちろん、書籍やアート、照明を飾るサイドテーブルとしても機能します。