1955年にデザインされたフィン・ユールの「サイドボード」は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの色相環から着想を得た、豊かな色彩表現が魅力の一台です。アメリカで名声を高めた1950年代以降、ユールはより直線的でカラフルなデザインへと進化していきましたが、この作品はその転換点を象徴しています。
素材にはチーク、オーク、ウォルナット、オレゴンパインの突板を用い、スライド扉は同材仕上げのほか、白をベースにイエローまたはライトブルーを組み合わせたカラー仕様も選択可能。脚部フレームはバニッシュドスチール、またはブラック・オレンジ・ライトブルーの塗装仕上げから選べ、さらにオプションでトレーユニットの追加にも対応します。
木材とスチールの異素材を軽やかに調和させたこのサイドボードは、ユールがアメリカの同時代デザイナー、とりわけチャールズ・イームズから受けた影響を示す貴重な作品であり、北欧デザインの新たな一面を体現する名作です。