古代エジプトとモダンの調和|凛とした三角形のフォルムが美しい、Egyptian Chair。
「奇跡的な調和」と称えられた、不朽の名作
古代エジプトのデザイン理念とモダンな感性、そして流れるような造形美を融合させた「エジプシャンチェア」は、フィン・ユールの独創性を象徴する一脚です。
1949年、コペンハーゲンで開催された家具職人ギルド展で、名作「チーフテンチェア」とともに初めて披露されました。
△ フィン・ユールによる「エジプシャンチェア」のオリジナル水彩画
(写真:Pernille Klemp 所蔵:デザインミュージアム・デンマーク)
出典:House of Finn Juhl 公式サイト
この展覧会での成功により、フィン・ユールは国際的な評価を確立し、“デンマークモダンの父”としての歩みを確固たるものにしたのです。
デザイン評論家が「奇跡的な調和」と評したこの椅子は、単なる家具の枠を超え、フィン・ユールが追求した“空間の中のもうひとつの空間”というコンセプトを見事に体現しています。
時を繋ぐ、エジプトへのオマージュ
この椅子の誕生には、フィン・ユールの好奇心が詰まったエピソードがあります。
後年、彼がパリのルーヴル美術館で目にしたアンティークのエジプトの椅子。
その完成された美しさに強く魅了されたフィン・ユールは、その構造を「盗み」、独自のデザインへと昇華させたと語っています。
何千年も前に完成されていたエジプトの様式美に、現代のリズムと流体力学的な軽快さを加える。そうして生まれたのが、時を飛び越えて愛される、この「新しいクラシック」なのです。
日常でアートと暮らす。機能に縛られない、彫刻のようなデザイン
フィン・ユールが目指したのは「座れる彫刻」でした。
彼は家具を単なる道具としてではなく、空間に軽やかに存在する芸術作品として捉えていました。
その彫刻的なフォルムは、見る角度によって驚くほど表情を変え、暮らしの中に静かな刺激を与えてくれます。
浮遊感がもたらす、自分だけの特等席
この独自の美しさは、まるで重力から解き放たれたような独特の構造に秘められています。
座面と背もたれがフレームからふわりと浮き、驚くほど軽やかな印象を与えます。
この構造が生み出す浮遊感は、選ぶ張地がレザーであってもファブリックであっても、空間に圧迫感を与えることはありません。
ひとたび腰掛ければ、まるで自分だけの境界線が引かれたような、穏やかな安心感に包まれることでしょう。
名作を繋ぐ、美しき意匠
フィン・ユールが手がけた名作の数々には、共通する美学が貫かれています。
たとえば、背もたれの両端に施された小さな「角飾り」のようなディテール。
△ Chieftain Chair(チーフテンチェア)
これはチーフテンチェアとも共通する洗練された意匠であり、彼の独創的な遊び心が宿っています。
一切の妥協を許さない緻密な手仕事が細部にまで息づいており、手にした瞬間に「特別」であることを実感させてくれます。
熟練の職人が注ぐ、多大な忍耐と手仕事
手作業による張り地
この柔らかなフォルムを美しく仕上げるには、機械では決して真似できない職人の「忍耐力」が必要です。
革という素材の限界を知り尽くした熟練の職人が、一つひとつ手作業で時間をかけて命を吹き込んでいます。
触れるたびに深まる、本物の質感
オークやウォルナットの力強い木目に、しなやかなレザーや風合い豊かなファブリック。
選び抜かれた素材が織りなす本物の質感が、指先を通じて心地よく伝わります。
時を重ねるほどに味わいを増していくその姿は、あなたと共に年を重ね、暮らしに深く馴染んでいく一生のパートナーとなるはずです。
名店に選ばれる、品格ある座り心地
△ ミシュラン星付きレストラン「Formel B」
この椅子は、ただ眺めるためのものではありません。 ミシュラン星付きレストラン「Formel B」をはじめ、世界最高峰の空間で選ばれ続ける理由は、その「おもてなしの座り心地」にあります。
優しく身体を包み込むような曲線に、深く腰掛けた瞬間、そこには穏やかな空気が流れ出し、
上質な食事や大切な人との会話、あるいは自分自身と向き合うための豊かな時間が始まります。
「愛着が深まる」経年変化という物語
フィン・ユールの家具は、手に入れた瞬間が完成ではありません。
共に時を重ねる中で、レザーは柔らかく身体に馴染み、木材は琥珀色へと深みを増していきます。
それは、あなたと椅子が積み重ねてきた思い出の証です。
量産品にはない「物語を語る家具」として、世代を超えて受け継がれる世界に一つだけの名作へと育っていく。その変化を愛でることも、この椅子を所有する大きな愉しみの一つです。
おすすめコーディネート -感性が研ぎ澄まされる、自分だけの定位置-
自分と向き合う、静かな特等席。 ワークデスクに合わせれば、そこは知的な静寂が流れる特別な場所に。
座る時間はもちろん、ふと視線を落とした瞬間さえも、あなたの創造性を刺激するアートピースとなります。
エジプシャンチェア特有の三角形のフォルムが彫刻のような影を落とし、その場に、凛とした気品が生まれます。
デザイナーについて
▶ Finn Juhl(フィン・ユール)

フィン・ユールは、1912年コペンハーゲン生まれ。
彼は父親から芸術の道に進むことを反対され、建築を学びましたが、その過程で現代美術への関心を深め、独自の発想で家具デザインを手がけるようになりました。
1930年代に北欧モダンデザインが台頭する中、1937年の家具職人ギルド展への出展を機に頭角を現します。
ボーエ・モーエンセンやハンス J. ウェグナーと並ぶデンマーク近代家具デザインの代表的な人物です。
「世界で最も美しい椅子」と称される「No.45」や「チーフテンチェア」など、
優雅な曲線と彫刻的な造形が特徴。家具を芸術作品として捉える独自の発想と造形力で、数々の傑作を生み出しました。
ブランドについて

HOUSE OF FINN JUHL(ハウス・オブ・フィンユール)は、2001年フィン・ユールの夫人ハンネ・ヴィルヘルム・ハンセンにより、
フィン・ユール家具の製造と復刻生産に関する権利を与えられており、 当初の意図と同じ価値観と同じ品質で家具を製造しています。
このアプローチがなければ、フィン・ユールのトレードマークであるユニークな仕上げと繊細なディテールを実現することは不可能でしょう。
最高品質の素材は、何世代にもわたって使い続けられる、エレガントで快適、耐久性のある家具を作るための基礎となります。
したがって、最高級の素材を正確に選択することが、HOUSE OF FINN JUHLの主な焦点となっています。
今日、フィン・ユールのコレクションは40種類以上の作品から成り立っており、
そのすべては高い品質を保ち最上の敬意を払い製造されています。