「座れる彫刻」を世界へ。
合理が生んだ、至高のエレガンス|France Chair。
洗練された造形の中に宿る、挑戦の記憶
1956年に発表された「フランスチェア」は、フィン・ユールの代表作の中でも特別な立ち位置にあります。
なぜなら、彫刻的な造形美を極めた彼が、数少ない「工業生産」を見据えて設計したモデルだからです。
△ デンマーク王国大使館公邸のインテリアに使用されたフランスチェア (写真:デザインミュージアム デンマーク)
出典:House of Finn Juhl公式サイト
当時、最先端のビジネスモデルであった「フラットパック(組み立て式)」を前提に設計され、主にアメリカ市場へと送り出されました。
この挑戦は、デンマーク家具輸出の約6割を担ったメーカー〈France & Son〉との協働により、かつてない国際的な成功を収めます。
本来、一点物の彫刻のように手間をかけて作られるフィン・ユールの家具の美しさはそのままに、いかにして世界中へ届けるか。
フランスチェアは、その高いハードルを乗り越えて生まれた「機能美の極致」なのです。
合理性が生んだ、揺るぎないエレガンス
「工業化」という背景がありながら、この椅子から溢れ出るエレガンスが損なわれることはありませんでした。
むしろ、輸送の効率性を追求したことで無駄が削ぎ落とされ、彼のデザインが持つ「普遍的な美」がより純粋な形で抽出されています。
何千キロという距離を超えて届けられる機能性を備えつつ、細部に至るまで精巧なディテールを保ち続ける。
フランスチェアは、まさに「世界を魅了するために設計された」名作であり、今なお愛され続ける理由がその佇まいに凝縮されています。
空間に余白を生む、軽快な「浮遊感」
フランスチェアの最大の魅力は、座面と背もたれがフレームからわずかに浮き上がったように見える、フィン・ユール独自の「浮遊」のデザインです。
重厚なラウンジチェアでありながら、フレームとクッションの間に空気が通り抜けるような隙間があることで、驚くほど軽やかな印象を与えます。
一脚置くだけで、お部屋に心地よい余白とリズムをもたらし、現代の住空間にも美しく馴染んでくれることでしょう。
フィン・ユール特有の、彫刻的なアームの造形
アームレストのデザインには、フィン・ユールの代名詞とも言える“ペーパーナイフ”の造形が息づいています。
オーガニックな曲線が描く柔らかな手触りと、洗練された先端。
工業的な生産ラインを意識しつつも、この繊細な意匠だけは決して譲りませんでした。
このディテールに触れるたび、職人の誇りとフィン・ユールの執念を感じずにはいられません。
細部まで心を込めた、丁寧な造り
合理性から、職人の手仕事へ
△ フィン・ユール家具を支える熟練の技(※写真はエジプシャンチェア)
かつては合理性を優先した「組み立て式」として普及したフランスチェアですが、現在はその繊細な造形美と品質を保つため、デンマークの熟練職人が一つひとつ時間をかけて、完成品へと組み上げています。
職人の手仕事で丁寧に張り上げられたテキスタイルやレザーは、座るほどに身体に馴染み、上質な安らぎを約束します。
時と共に美しさを深める、フィン・ユールの哲学
厳選された最高級の天然木を贅沢に使用し、熟練の職人が素材の個性を引き出すことで、何世代も使い続けられる耐久性が生まれます。
その仕上げは、使い込むほどに味わいが増す「経年変化」までをも設計したもの。
時を経て深みを増す木の表情、そしてヴィンテージのような風合いへと育つ真鍮の輝き。
あなたと共に年を重ね、より深く、豊かに育っていく素材の調和を愉しむ。
それは本物を選んだ人だけの特権であり、長く愛用するほどに価値が増していく、唯一無二の魅力に溢れています。
おすすめコーディネート -名作が響き合う、究極のラウンジスタイル-
△ Poet Sofa(ポエトソファ) / Tray Table(トレイテーブル) / France Chair(フランスチェア)
包容力のある「Poet Sofa」と、軽快な「フランスチェア」。
一見異なる個性を持っていますが、フィン・ユール特有のオーガニックな曲線が共通言語となり、空間に柔らかな一体感をもたらしてくれます。
中心に配した「Tray Table」の細身のスチール脚は、空間に知的なリズムを刻むアクセントになります。
フランスチェアに宿る真鍮の輝きと各素材の質感が心地よく共鳴し合う、究極のラウンジスタイルです。
デザイナーについて
▶ Finn Juhl(フィン・ユール)

フィン・ユールは、1912年コペンハーゲン生まれ。
彼は父親から芸術の道に進むことを反対され、建築を学びましたが、その過程で現代美術への関心を深め、独自の発想で家具デザインを手がけるようになりました。
1930年代に北欧モダンデザインが台頭する中、1937年の家具職人ギルド展への出展を機に頭角を現します。
ボーエ・モーエンセンやハンス J. ウェグナーと並ぶデンマーク近代家具デザインの代表的な人物です。
「世界で最も美しい椅子」と称される「No.45」や「チーフテンチェア」など、
優雅な曲線と彫刻的な造形が特徴。家具を芸術作品として捉える独自の発想と造形力で、数々の傑作を生み出しました。
ブランドについて

HOUSE OF FINN JUHL(ハウス・オブ・フィンユール)は、2001年フィン・ユールの夫人ハンネ・ヴィルヘルム・ハンセンにより、
フィン・ユール家具の製造と復刻生産に関する権利を与えられており、 当初の意図と同じ価値観と同じ品質で家具を製造しています。
このアプローチがなければ、フィン・ユールのトレードマークであるユニークな仕上げと繊細なディテールを実現することは不可能でしょう。
最高品質の素材は、何世代にもわたって使い続けられる、エレガントで快適、耐久性のある家具を作るための基礎となります。
したがって、最高級の素材を正確に選択することが、HOUSE OF FINN JUHLの主な焦点となっています。
今日、フィン・ユールのコレクションは40種類以上の作品から成り立っており、
そのすべては高い品質を保ち最上の敬意を払い製造されています。