遊び心という革命を。やさしさと自由を灯すペンダントライト
夕食のひとときや、机に向かって作業をする時間。ふと顔を上げた瞬間に、電球の強い光が直接目に入り、チカチカと不快に感じたことはありませんか。
フラワーポットのペンダントは、大小二つの半球を向かい合わせることで、電球そのものを完全に覆い隠す構造になっています。視界に直接的なまぶしさを入れず、内側の白い塗装で反射させた柔らかな光だけをテーブルへと届ける。点灯すると、重なり合った半円の上下で自然な明暗の濃淡が生まれ、空間に静かな立体感が宿ります。
また、「フラワーポット」という一見かわいらしい名前の裏には、戦争への反対と平和への願い──
そんな時代の思想が静かに息づいています。
ただ愛らしいだけではない。平和への願いを宿した、時代のアイコン
北欧デザインらしいシンプルさの中に、ひと目で心に残る、アイコン的なフォルム。
丸みを帯びたやわらかなかたちは、どこか愛らしく、まるでキャラクターのような親しみを感じさせます。
しかし、この照明の魅力は、見た目だけにとどまりません。その背景には、ひとつの時代の思想が静かに息づいています。
【フラワー・ムーブメント】
それは、「力ではなく、やさしさと自由で世界を変えよう」という想いから生まれた文化的な潮流。
ベトナム戦争への反対や、既存の価値観への問いから、若者たちは争いや権力ではなく「愛(Love)と平和(Peace)」を大切にする生き方を選びました。
この価値観は、インテリアやプロダクトデザインにも大きな影響を与えます。
角のない丸みを帯びたフォルム。カラフルでポップな色使い。そして、既成概念にとらわれない自由な発想──。そうした新しい表現へと繋がっていきました。
そして、この照明が誕生したのは1968年。
「やさしさと自由で世界を変える」という当時の想いは、この灯りの中にも、そっと宿っています。
名前の由来は可愛らしく聞こえますが、その背景には、戦争への反対と平和への願いが託されています。
美しい明暗が、視界をいたわる。人のための光の形
直射光を遮る、透過しないスチールの「傘」
点灯しても、電球の光が直接届くことはありません。
光を透過させないスチール素材によって、電球の光は大きな半円の内側に閉じ込められ、上部の内側に光を集めます。一方で、下の小さな半円は「傘」のような役割を果たします。電球の光が真下に降り注ぐのを制御し、小さい半円の外側から上部の半円に反射した光をフワッと優しく落とします。
この「自己遮蔽」によって、光のグラデーションのように、下に向かって影が深まる美しい濃淡が描かれるのです。
直射光を遮断し、視界を穏やかに保つ
グレアフリーデザインの真骨頂は、下から覗き込んでも電球が直接見えないことにあります。
テーブル上の物や天板の木目は、反射した十分な光量でくっきりと照らし出しながらも、目線に入る光源は遮断する。目を刺すような刺激から解放されることで、食卓での会話や読書に、より深く没入できるようになります。
丸みを帯びた愛らしいデザインとは対照的に、光はシャープに広がります。下方向へしっかりと落ちる光が、空間にモダンで引き締まった印象をもたらします。
点灯した瞬間の表情まで計算し尽くされた、空間に効く色彩
「この素材に、この色を。」デンマークデザインの妥協なき色選び
デンマークのデザイン文化において、色は単なる表面的なお化粧ではありません。「ただ可愛いピンクだから」ではなく、「光を反射するこの硬いスチール素材に、どの色を乗せるべきか」。無数のカラーパレットの中から何時間もかけて一つのトーンを選び抜く、並々ならぬこだわりが根付いています。
光を帯びても平坦にならない。絶妙な発色と光沢のバランス
照明器具のカラー選びで最も難しいのは、明かりを灯した時の見え方です。日中は綺麗に見えても、夜に点灯した途端に色が白飛びしてしまったり、プラスチックのように単調で平坦な印象を与え、空間の中で浮いてしまうことがあります。
ヴァーナー・パントンは、純粋な色の美しさだけでなく、「光を灯した時にどう見えるか」という境界線を徹底的に見極めました。
日中、点灯していない時の佇まい、指で触れたときの表面の質感、そして夜に点灯し、グラデーションの影が落ちたときの見え方。そのすべてが計算されているからこそ、フラワーポットは単なる「色」として悪目立ちすることなく、お部屋の空気を引き締める確かな存在感として機能するのです。
空間に溶け込む色、目を惹く色。自分だけの一色を選ぶ楽しみ
フラワーポットのもう一つの魅力は、見ているだけで心が弾むような豊富なカラーバリエーションです。「色をもっと自由に楽しんでいい」というパントンの思想をそのまま体現した多彩なラインナップから、お部屋の空気や好みに合わせて、自由に色を選ぶことができます。
例えば、無垢材のダイニングテーブルや落ち着いたトーンの寝室に静かに調和させたいなら、空間にスッと馴染む「ストーンブルー」や「マットライトグレー」を。明かりを灯していない日中の時間帯も、周囲のインテリアと喧嘩することなく、静かな佇まいを見せます。
一方で、シンプルな白い壁や単調になりがちな空間に、ピリッとしたスパイスを取り入れたいなら、発色の美しい「マスタード」や「グリーン」がおすすめです。ふと視界に飛び込んでくる鮮やかな色彩が、いつもの見慣れた景色をパッと明るく塗り替え、空間の美しい差し色として機能します。
今の部屋に優しく調和させるか、それとも目を惹くアクセントとして迎えるか。ただの照明選びにとどまらない、あなたの暮らしに一番しっくりと馴染む「色を選ぶ楽しみ」を存分に味わってみてください。
感情を揺さぶる初期のカラーパレット。生誕100周年を祝う3つの新色
ヴァーナー・パントンの生誕100周年を記念し、フラワーポットシリーズに「スチールブルー(Steel Blue)」「アイボリー(Ivory)」「ゼスティオレンジ(Zesty Orange)」の3色が新たに加わります。
デンマークの家具や照明デザインに、遊び心と大胆な革新をもたらした先駆者、パントン。
彼は生前、「色彩には、知覚や感情を変化させる強い力がある」と深く信じていました。
今回の新色は、彼が確立した初期のカラーパレットへオマージュを捧げ、その創造理念を現代の空間へ向けて再解釈した特別なコレクションです。
パントンの思想そのものが色づいたような新しい3色が、日々の暮らしに新たな感情の変化と、心地よい刺激をもたらします。
シーンによって、選べる4つのサイズ
ダイニング以外の「名脇役」としても
小ぶりなVP1(直径23cm)、VP10(直径16cm)はダイニング照明としてはもちろん、お部屋の隅々で活躍します。
▲VP10(直径16cm): カウンターや多灯吊りに。ベッドの横の間接照明にも。
▲VP1(直径23cm):汎用性が高いサイズ。ダイニングはもちろん、シェルフやコンソールの上に「灯りを添える」感覚で配置できます。ラウンジチェアの横に低めに落とせば、自分だけの読書スペースに。
ダイニングの主役として
VP2(直径50cm)、VP7(直径37cm)は存在感があるサイズ。モダンなデザインはダイニング空間のアクセントになります。
▲VP7(直径37cm): ダイニングテーブルに1灯で
▲VP2(直径50cm):ダイニングや広い空間の主役に。
スタッフレビュー
「点灯した瞬間に広がる光のグラデーションは、思わず見惚れてしまうほどの美しさ。愛らしい見た目からは想像できないほど、繊細で静謐な光が空間をやさしく包み込み、心を穏やかに整えてくれます。」
「マットタイプは、指で触れても跡が残りにくいサラッとした質感。マット塗装でも仕上げの質感が良く、素材を活かした北欧家具とも相性抜群です。」
「接合部の金属パーツには、ヴァーナー・パントンの名前が。ワンポイントのアクセントになりつつ、デザイナーへの敬意が感じられます。」
スペック・仕様
仕様:引掛シーリング
仕上げ:マット塗装 / グロス塗装 / 金属メッキ
メンテナンス・ケア
マイクロファイバーなどの柔らかい乾いた布で、表面をなでるようにホコリを払ってください。下の半球パーツは簡単に外せる構造になっているため、内側の反射板(白塗装部分)にホコリが溜まった際も、すぐにお掃除できます。
よくある質問
Q.お部屋全体は明るくなりますか?
A. 光は上方向には抜けず、全て下方向にのみ落ちる設計です。そのため、お部屋全体を照らす主照明としてではなく、テーブル面や特定のコーナーを照らすための照明としてお使いいただくのが最適です。
Q. 電球の交換は手間ですか?
A. 下の小さな半円パーツに引っ掛かっている金具を内側に優しく押し込むと、カバーを取り外すことができます。工具などは不要で、どなたでも簡単に交換可能です。
Q. キッチンで使うと油汚れが気になりますが、拭き取り可能ですか?
A. はい。マット仕上げもグロス仕上げも、固く絞った布で汚れを拭き取ることができます。ただし、塗装を傷めないよう研磨剤入りのスポンジなどは避けてください。
部屋を照らすだけでなく、景色と心を明るくする造形
「二つの半円を重ねる」という、ただそれだけのシンプルな構造。
フラワーポットという名前の通り、その愛らしいシルエットは、ただ空間を明るくするための「道具」にとどまりません。
直線的な壁や四角いテーブルが並ぶいつもの部屋に、ぽつんと浮かぶ丸いフォルム。灯りをつけていない日中の時間帯でも、その少しポップな造形が視界に入るだけでインテリアの硬い緊張感がふっと解け、見る人の心を自然と明るくしてくれます。
目に優しい光を届ける謙虚さと、空間に咲く花のような存在感。
この一灯が、日々の暮らしの景色を優しくほぐしてくれるはずです。
デザイナー/Verner Panton(ヴァーナー・パントン)
ヴァーナー・パントン(1926-1998)は、デンマークデザイン史上、最も創造性豊かで異彩を放つデザイナーの一人です。彼の代名詞とも言える遊び心あふれる造形と、計算し尽くされた鮮やかな色彩は、一目見た瞬間に人々の心を掴み、日常に驚きと幸福感をもたらします。
パントンは、自身のデザイン哲学について、かつてこのように語りました。
「多くの人々は、色を使うことを極端に恐れ、退屈なグレーやベージュに囲まれた画一的な日々を過ごしています。私は照明や色、テキスタイル、家具での実験や最新技術の活用を通じて、新たな道を提示したい。それによって人々の想像力を刺激し、周囲の環境をよりエキサイティングなものへと変えることを目指しているのです」
しかし、彼の真価はその斬新なビジュアルだけに留まりません。北欧照明の巨匠ポール・ヘニングセンに師事した経験を持つパントンは、独創的なアイデアの裏側に、デンマークデザインの真髄である「機能性」と「合理性」を深く宿していました。
使う人の心に寄り添うやさしい使い心地や、細部まで徹底的にこだわるクラフトマンシップへの真摯な姿勢。一見すると型破りに見える彼の作品は、実はデンマーク人が大切にする「本質的な価値」への情熱から生まれています。遊び心と機能美を完璧なバランスで融合させたパントンのデザインは、時代を超えて世界中で愛され続けています。
ブランド/&Tradition
2010年に設立された「&Tradition(アンドトラディション)」は、色あせることのないクラシックデザインと、現代の感性が生み出すモダンデザインを融合させたデンマークのインテリアブランドです。
時代を超えて愛される名作を再構築すると共に、現代の世界をリードするデザイナーの感性を掛け合わせることで、「未来のクラシック」を創造することを目指しています。
アルネ・ヤコブセンやヴァーナー・パントンといった20世紀を代表する巨匠のマスターピースから、ハイメ・アジョンやスペース・コペンハーゲンなど、今まさに最前線で活躍するクリエイターによるアイテムまで、照明や家具を中心に時代を超えた幅広いラインアップを展開しています。