1950年に発表された「Willadsen Sofa(ウィラドセンソファ)」は、フィン・ユールが家具メーカーであるSøren Willadsen社と築いた協働の中で生まれた象徴的な一作です。最大の特徴は、背もたれと座面の間に設けられた半円形のスペース。背が座面から独立して弧を描くように浮かび上がり、張りぐるみのソファでありながら驚くほど軽やかな印象をもたらします。この大胆な構造は当時として革新的であり、フィン・ユールが伝統的な張り家具の概念を再定義した好例と言えます。ふっくらと丸みを帯びたシルエットは座る人を包み込み、わずかに角度をつけた脚部が全体のフォルムをいっそう引き立てます。デンマークで職人の手により丁寧に張り込みを行い、脚部にはFSCR認証を取得したオークまたはアメリカンウォルナットを採用。彫刻的な造形と北欧家具らしい温かな素材感が調和した、時代を超えて愛される名作ソファです。