彫刻のような佇まいと、身体が喜ぶ安らぎを。|フィン・ユールが愛したソファ、46 Sofa。

「疲れたセイウチ」と呼ばれた、1946年の挑戦

△46 ソファのオリジナル水彩画(写真:Pernille Klemp、所蔵:デザインミュージアム デンマーク)
出典:House of Finn Juhl公式サイト
46ソファは、フィン・ユールがモダンアートに強く影響を受けていた1946年にデザインされました。
このソファの価値は、その誕生の背景にあります。当時主流の合理的・機能的なデザインとは一線を画し、フィン・ユールは芸術家パブロ・ピカソやヘンリー・ムーアに代表される、慣習にとらわれない自由なアートから着想を得て、彫刻的で有機的なフォルムを家具の世界に持ち込みました。
その先進性ゆえに、発表当時は一部の批評家から「疲れたセイウチ」と揶揄されたこともありました。
この逸話こそ、46ソファが時代を先取りしていたことの証です。
北欧 のデザイナーズ 家具の歴史に「芸術性」という新たな潮流を生んだ、革命的なマスターピースです。
人を包み込む「身体のための身体」という思想

このソファの核心は、フィン・ユールが iconic (象徴的)なペリカンチェアでも用いた「身体のための身体 (Body for the Body)」という哲学です。
豊満で流れるようなフォルムは、単なる装飾ではなく、座る人の身体を優しく受け止め、包み込むために設計されたもの。
フィン・ユールは、自身の身体を計測し、人がいかに心地よく座れるかを分析することでデザインを行いました。
アームから背もたれへ続く曲線は、一般的なソファにはない安心感を与え、空間に置かれた「座れる彫刻 」として、360度どこから見ても美しい佇まいを見せます。
この二人掛け のソファは、リビング 空間の主役となる存在感を持っています。
手仕事でしか生み出せない曲線美と堅牢性

46ソファの優美なフォルムは、デンマークの卓越した職人技の結晶です。
この複雑で滑らかな曲面は、職人がすべて手作業で張り地を縫い上げることで実現されています。

内部には、堅牢な無垢材のフレームとクッション内のスプリング構造を採用。
繊細な見た目とは裏腹に、世代を超えて楽しめるほどの耐久性も追求されています。
優美なデザインと、それを支える緻密な職人技の完璧な融合です。
五感に訴える本物のマテリアル

△ 画像はイメージです。
46ソファの魅力は、厳選された本物の素材によって支えられています。
脚部に使われるオーク材(またはウォルナット材)は、その美しい木目と堅牢性が特徴です。
オイルで仕上げられた木肌は、触れるたびに自然素材ならではの温もりを感じさせます。

また、張り地には高品質なテキスタイル(ファブリック)やレザーが用意されており、豊かな表情と心地よい肌触りを提供し続けます。
これは、最高の素材を、最も献身的で熟練した職人の手に委ねるというブランドの哲学を体現するものです。
お部屋のインテリア に合わせて、最適な素材をお選びいただけます。
時を超えて輝きを増すアートピース

△フィン・ユールが、46ソファに座った写真
出典:House of Finn Juhl公式サイト
このソファは、職人の手仕事により一台一台が丁寧に作り上げられています。
フィン・ユール自身のスタジオにも置かれていたという事実は、このソファが単なる家具ではなく、デザイナーの美意識を象徴する存在であったことを物語っています。
家具の領域を超えた「アートピース」としての評価は、発表から長い年月を経ても色褪せることがありません。
暮らしを豊かにするパートナーであり、時を超えて価値を継承していくマスターピースです。
おすすめコーディネート — 46 SofaとNyhavn Deskでつくる、知的で上質な空間 —

46ソファは、彼がデザインした他の家具と組み合わせることで、空間の完成度を一層高めます。
例えば、軽快なスチールフレームと木製の天板が特徴の「Nyhavn Desk(ニューハウンデスク)」を合わせれば、リビングの一角に洗練されたワークスペースが生まれます。 46ソファの彫刻的なフォルムと、デスクのシャープで機能的なラインが互いを引き立て合い、空間に美しいコントラストをもたらします。
さらに、壁面に「パネルシステム(シェルフ)」のような機能的な収納を加えることで、美しいだけでなく実用的なインテリアが完成します。 アートピースのようなソファと、機能的なモダン 家具が調和した、上質な北欧デザインの世界観をトータルで楽しむことができます。
デザイナーについて
▶Finn Juhl(フィン・ユール)

フィン・ユールは、1912年コペンハーゲン生まれ。
当初、父親の反対で建築を学びましたが、その過程で現代美術への関心を深め、独自の発想で家具デザインを手がけるようになりました。
1930年代に北欧モダンデザインが台頭する中、1937年の家具職人ギルド展への出展を機に頭角を現します。
ボーエ・モーエンセンやハンス J. ウェグナーと並ぶデンマーク近代家具デザインの代表的な人物です。
「世界で最も美しい椅子」と称される「No.45」や「チーフテンチェア」など、優雅な曲線と彫刻的な造形が特徴。
家具を芸術作品として捉える独自の発想と造形力で、数々の傑作を生み出しました。
ブランドについて

HOUSE OF FINN JUHL(ハウス・オブ・フィンユール)は、2001年フィン・ユールの夫人ハンネ・ヴィルヘルム・ハンセンにより、
フィン・ユール家具の製造と復刻生産に関する権利を与えられており、 当初の意図と同じ価値観と同じ品質で家具を製造しています。
このアプローチがなければ、フィン・ユールのトレードマークであるユニークな仕上げと繊細なディテールを実現することは不可能でしょう。
最高品質の素材は、何世代にもわたって使い続けられる、エレガントで快適、耐久性のある家具を作るための基礎となります。
したがって、最高級の素材を正確に選択することが、HOUSE OF FINN JUHLの主な焦点となっています。
今日、フィン・ユールのコレクションは40種類以上の作品から成り立っており、
そのすべては高い品質を保ち最上の敬意を払い製造されています。