100周年の幕開けを飾る「光の宝石」
1925年、ポール・ヘニングセンがルイスポールセン社と共に歩み始めてから100年。その記念すべき2025年(発売は2026年4月)に登場したのが、この「PH 3/2 テーブルランプ センテナリー・エディション」です。
最大の特徴は、これまでの限定モデルにはなかった「琥珀色×乳白色」のバイカラーシェード。
この組み合わせにより、クラシックで重厚な雰囲気は残しつつも、いまの私たちの住空間にすっと馴染む心地よい「抜け感」が生まれています。
人間を照らす良質な光。画期的な照明器具の誕生
参照:LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
灯りと言えばキャンドルやオイルランプだった時代。ヘニングセンが手掛けたPHランプは画期的な道具として、当時の建築家やデザイナー達から深く愛されました。
彼が生涯で生み出した100種類以上のPHランプは、やがて住宅用の照明として広く取り入れられるようになり、現代も世界中で愛され続けています。
「人間にとって良質な光を与える」というヘニングセンの哲学
ヘニングセンがデザインした照明器具は、どれも美しい光のグラデーションが特徴です。
この光の秘密は、巻貝のカーブと同じ「対数螺旋(たいすうらせん)」という数学的な形がシェードに応用されていること。下図のように、光がどの角度から当たっても同じ角度で反射します。
ヘニングセンが何よりも追求した「直接電球の光が目に入らない(グレアフリー)」という目的をこの仕組みで解決すると同時に、なめらかで美しい光のグラデーションを生み出しているのです。
センテナリー・エディションの3つの魅力
1.進化を遂げた4層ガラスの琥珀色
過去にも琥珀色の限定モデルは発売されてきましたが、今回はさらに深い色合いをご堪能いただけます。2018年モデルなどは3層の手吹きガラスでしたが、今回のセンテナリーモデルでは「4層ガラス」へとアップデートされました。
▲PH 2/1 琥珀色ガラス テーブルランプ(2020年モデル)
実際に手で触れてみると、ガラスのしっかりとした厚みと滑らかな手触りを感じていただけます。
4層になったことで琥珀の色味がより濃密になり、点灯したときの温かみはもちろん、日中の消灯時でもガラスの深い色合いが目を楽しませてくれます。

▲琥珀色ガラスの内側
外側は手吹きガラスの美しい光沢仕上げ。一方で、内面にはサンドブラスト加工を施しています。このマットな質感が光を優しく拡散させ、眩しさをふんわりと和らげてくれるのです。
2.バイカラーによる「視覚的な軽やかさ」
すべてが琥珀色のガラスだった過去のモデルと比べ、中段と下段に「白」が入ったことで、見た目の印象がパッと軽やかになりました。
この乳白色のガラスはデザインのアクセントになるだけでなく、光をより効率的に下方向へと広げてくれる役割を持っています。手元をしっかりと照らしてくれるので、読み書きをする手元まで十分に明るく、暮らしに寄り添う機能性も備えています。
重厚になりすぎないので、モダンなインテリアを基調とした現代の日本の住まいにも、無理なく自然に溶け込んでくれます。
3.琥珀色と調和するエイジドブラス
ベースと支柱には、あらかじめアンティーク調の風合いを持たせた「エイジドブラス(真鍮)」加工を採用しています。美しい古色を長く保てるよう表面には丁寧にラッカー塗装が施されており、無垢の真鍮のように手の指紋や変色に過度な気を使う必要がありません。
ヴィンテージ感を高めるダークブラウンのテキスタイル(布)コードも相まって、箱から出して置いたその瞬間から、お部屋に落ち着いた佇まいをもたらしてくれます。
届いたその日から、長年大切に受け継いできたヴィンテージ家具のような、それでいて時を経ても色褪せない、特別な存在感を放つ仕上がりです。
ライフスタイルアイデア
程よいサイズ感でしっかり空間を照らす
直径28.5cm、高さ47.2cmという、日本の住環境において使い勝手の良いボリューム感です。
よく比較される一回り小さな「PH 2/1 テーブル」(シェードの直径が約9cmコンパクトなモデル)が、ベッドサイドや小さなサイドテーブルに置いてオブジェのような感覚で楽しむのに向いているとすれば、こちらの「PH 3/2 テーブル」は、チェストやサイドボードの上に置いて、より広範囲にしっかりと光を届けたい場合にぴったりです。
決して大きすぎることはなく、日本の一般的な住宅事情においても扱いやすい、非常に実用的なサイズに仕上がっています。用途や置きたい場所に合わせて、ご自身の暮らしにフィットする大きさを選んでみてください。
コーディネートアイデア
実際にこの照明をお部屋に合わせるなら、どのような家具が良いか迷われるかもしれません。今回は、異なる2つのテイストをご紹介します。
北欧ヴィンテージとの調和
チーク材やオーク材など、北欧ヴィンテージチェストのような深い色味の木製家具とは文句なしの相性です。琥珀色の光とエイジドブラスの落ち着いた輝きが、時の経過を経た木の温もりをより豊かに引き立ててくれます。
モダンインテリアの美しい差し色
私たちがお勧めしたいもう一つの合わせ方が、あえてクリーンな空間に取り入れるコーディネートです。ホワイトを基調としたお部屋や、スチールやガラスを用いたモダンなインテリアの中に置くだけで、この琥珀色とエイジドブラスが空間の美しい「差し色」として働いてくれます。
組み立て方法について
組み立て方法はこちらの動画をご参照ください。
ボトムシェード(1番下のシェード)の下に2か所、ナットと呼ばれる回せる部分があります。これは1cm程高さが調節できるもので、回すと3枚のシェードが上下します。シェードが低すぎると電球が直接見えてまぶしくなり、逆にシェードが高いと1番大きなトップシェードに影が見えます。トップシェードの縁が電球の中心にくるように合わせるとバランスが取れるので、光の変化を見ながら調整してください。
※組み立て・調整方法の解説には、構造が共通している「PH 3/2 テーブル シルヴァー・クローム」モデルの画像・動画を使用しています。
メンテナンスについて
定期的に(6か月程度)部品のゆるみがないか点検してください。普段のお手入れは乾拭きでほこりを取ってください。汚れがあるときは、軟らかい布に中性洗剤を浸し、よく絞って拭いた後乾拭きしてください。ガラスシェードに汚れがあるときは、シェードを1枚ずつ外し、食器用の中性洗剤と柔らかいスポンジでやさしく洗った後乾拭きしてください。
万が一ガラスシェードが破損した場合は、お気軽にお問い合わせください。
100年の歴史を、ご自宅のくつろぎ空間に
電気工事や難しい設置工事が一切不要で、コンセントに挿すだけでパッとお部屋の雰囲気を変えてくれるのがテーブルランプの素晴らしいところです。
「お部屋にもう少し温かみが欲しい」「ペンダントライトだけでは少し物足りない」という時に、このPH 3/2 テーブルをひとつ置くだけで、そこがホッと一息つけるヒュッゲな特等席に変わります。
ヘニングセンの光の哲学と100年の歴史が詰まった特別な灯りと共に、ご自宅でのくつろぎの時間をぜひお楽しみください。
近代照明の父、ポール・ヘニングセン

光を科学し、人々の対話を促す「人道主義」
彼が「近代照明の父」と呼ばれるのは、単なるランプの形を作ったからではありません。それまでただの「明るくする道具」だった電灯を、「人々の暮らしを健やかにし、お互いの顔を美しく照らして対話を促す装置」へと変えたからです。
1920年代、普及し始めたばかりの裸電球の刺すような光は、人々の瞳孔を無理に収縮させ、表情を強張らせていました。ヘニングセンはこの「不快な眩しさ(グレア)」を近代社会の欠陥と捉え、生涯をかけて戦いに挑みました。
▲1927年当時の写真
参照:LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
彼が目指したのは、光が強すぎず弱すぎもしない、瞳孔がふっと緩んで心から安らげる空間。優れた建築家であり、鋭い社会批評家でもあった彼の「質の高い光は人々の生活を救う」という徹底した人道主義が、現代の北欧デザインの根底に流れています。
光をかたちづくる。デンマークの老舗「Louis Poulsen」

職人の呼吸が宿るクラフトマンシップ
1874年に創業したLouis Poulsen(ルイスポールセン)。彼らのものづくりは、現代の効率的な大量生産とは対極にあります。シェードに使われる吹きガラスは、現在もイタリアの熟練職人が1400度の炉と向き合い、一本の竿から息を吹き込んで成形しています。手作業ゆえに生じるコンマ数ミリの厚みの違いが、工業製品にはない温もりを与えます。
世代を超えて受け継がれる「一生モノ」の約束
「形態は機能に従う」。彼らは単に美しいランプを作っているのではなく、インテリアファンや本物志向の人々が、長い年月を共にするための照明器具を真摯に作り続けています。ガラスが割れてしまった場合のスペアパーツの供給はもちろん、ソケットの位置を調整できる機構によって、時代ごとの電球の変化にも対応し、計算された完璧な配光を再現し続けることができます。 古びて捨てるのではなく、経年変化する真鍮の輝きとともに、親から子へ、そして次の世代へと受け継いでいく。ヴィンテージ照明として長く愛される、真の一生モノの価値がここにあります。