世界的ヒットとなった照明 "カラヴァッジオ"
2005年の鮮烈なデビュー以来、安定した人気を誇るペンダントライト、カラヴァッジオ。その名は、光と闇のコントラストを巧みに操るバロック期の偉大な画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオへの深いリスペクトを込めて、デザイナーのセシリエ・マンツによって名付けられました。
シャープな曲線でつくられたシェード

カラヴァッジオのシェードは、曲線をぎりぎりまで切り詰めた直線に近いシャープな線を描いています。
このドレスの裾のようにも見える優雅なカーブは、カジュアルさがありながら気品も感じさせるカラヴァッジオの重要な要素。
デザイナーのセシリエ・マンツがデザインの過程で幾度も曲線を描き、カーブを吟味した単純に見えて実は緻密に練り上げられた線なのです。
シンプルで大胆な構造

カラヴァッジオはシェードとコードがひと続きになっておらず分離した構造になっています。
シェードをたった3本のフックで吊り下げるシンプルかつ大胆なデザインは、シェードのてっぺんから計算された光量を逃がし、天井を照らす機能性も兼ね備えています。

画像はP2サイズの電球の位置を示したものです。
ソケットの位置は、電球の光が直接目に入らないようにシェードの上部に設置されています。そのため、意識して中の電球を見ようとしない限り、中の電球が見えることがなくまぶしくありません。
また内面がマットホワイトに塗装されているので、明るい光がダイニングに柔らかく広がりながらも、まぶしさを感じることなくリラックスして過ごすことができます。
絶妙な色味”ウォームグレー”
CONNECTが自信を持っておすすめするカラー、「ウォームグレー」。
ほんのりベージュがかったこの色は、木製家具との相性が抜群です。
シャープすぎない柔らかな色味は、どんなお部屋にも優しく馴染み、カラヴァッジオの美しいシルエットを際立たせます。
この絶妙なウォームグレー、実は人気だったグレーをあえてアップグレードさせた、デザイナー・セシリエにとって特別な色。
彼女の作品には、幼少期から陶芸家である両親のもとで土に触れてきた経験が深く息づいています。
日本の有田焼からもインスピレーションを得たという彼女の作品は、土本来の色、そして素材へのこだわりが強く感じられます。
時代の流れと空気感を繊細に感じ取りながら、彼女の哲学が詰まったこの色が生まれました。
こんなにも違う!光の反射
ガラスとスチールでは、明かりを点けた時の雰囲気がずいぶんと変わります。以下の写真でガラスとスチールの素材による印象の違いをご覧ください。
光が上下方向にもれる「スチール仕様」

▲「earthworms / フラットシーリングカバー」を使用して天井に取り付けたときの様子。
※工事店・電気店(有資格者)による取付工事が必要です。
スチールは光を通さないので、メインの光はシェードの下のみに絞られ、落ち着いたリラックス感のある雰囲気をつくります。ドーナツ型にぽわんと浮かび上がる光は、カラヴァッジオのシェードのてっぺんから漏れた光が天井まで届いている証拠。このドーナツ型の光がくっきり見えることも、スチール仕様が人気の理由の一つです。
光が全体に広がる「オパールガラス仕様」

ガラスシェードは光を全方位に透過し、その光の量はスチールのシェードの1.5~2倍にもなります。
オパールガラスは、透明なガラスと違って発光した光が直接目に入ってくることはありません。眩しさを抑えたあたたかい光が空間を包み、見る人の心までぱっと明るく照らしてくれます。
柔らかなオパールガラスのエレガントさとシンプルなデザインによって、控えめながらも他のガラスの照明とは違った無機質でモダンな佇まいが魅力です。

▲ 製品付属のシーリングカバーを使用した時の様子
ペンダント照明とテーブルサイズってどうやって決めたらいいの?

ペンダント照明のシェード幅に対して、テーブルは約3倍のサイズが適しています。
以下の式を参考に、テーブルと照明のサイズを一緒にご検討ください。
例えば、カラヴァッジオP2のシェードの幅は258㎜なので、単純計算で
258(シェードの直径)×2灯×3倍=1548(㎜)←テーブルの推奨サイズ
※おおよそ160㎝から190㎝くらいまでのテーブルでしたらP2サイズ2灯吊りがおすすめです。
【ガラスシェードの場合】
カラヴァッジオP2のガラスシェードの場合、光がスチールのシェードに比べて1.5~2倍広がるので光が1.5倍広がると仮定して、
258(シェードの直径)×2灯×3倍×1.5倍=2322(㎜)←テーブルの推奨サイズ
※190㎝より大きいテーブルで2灯吊りしたい、空間全体を明るくしたいという場合に、カラヴァッジオP2オパール仕様の2灯吊りがおすすめです。
ダイニングに必要な明るさ
通常ダイニングには照度(光に照らされた面の明るさ)がJIS(日本産業規格)の照度基準で200~500ルクスあれば十分とされています。
下記画像は、W190㎝×D100㎝のテーブルでカラヴァッジオスチール仕様をP2を2灯吊りしたものです。
夜、まわりの照明を消した状態で照度を実際に測定しました。場所による光の照度の変化をご参照ください。

テーブルの中心付近の照度は約1000ルクスのため、十分な明るさがあることが分かります。
190㎝のテーブルのためコーナー部分がテーブル中央に比べて照度は落ちますが、書き物が可能な程度の明るさは維持できており、
テーブル天板面をほぼすべてを明るく照らすことができます。
180㎝までのテーブルですとコーナー部分が暗くなる心配もありません。
ダイニングにペンダント照明を取り付ける時の適切な高さ

テーブル天板からシェード下端までを適切な高さ(60㎝~65㎝)で吊るすとダイニングに必要な明かりは十分確保できます。
もしこれ以上高く照明を吊るすと光がぼやけてテーブル面に必要な光が届かず、光にメリハリがなくなってしまいます。
組み立て方法
カラヴァッジオは、お客様ご自身で組み立てていただく必要がございます。
①同梱されている袋の中からフック3本、六角レンチ1本を取り出します。

②フックを取り付ける部品の上部にある3つ穴の中にはボルトが入っています。六角レンチでボルトを緩めて浮かせることで、サイドからフックをはめ込むことが出来ます。

フックの角が見えなくなるまで、グッと中までゆっくり押し込みます。(しっかり押し込まないと外れやすくなります。)

③先ほど緩めて浮かせたボルトを六角レンチで締め、固定完了です。

ご覧の通り、オパールガラスをたった3本のフックのみで吊り下げるという、とてもシンプルな構造です。取り付けが甘いとフックの脱落に繋がりますので、フックは奥まで押し込み、ボルトはしっかりと締め切ってください。
3つのシェードの仕様
カラヴァッジオ スチール仕様のカラーバリエーション
ハイグロスラッカー仕上げ(艶有り)

※シェードの仕様がハイグロスラッカー仕上げ/ブラック色の場合、コードの色はブラックとレッドの2色からお選びいただけます。
シェードの仕様がハイグロスラッカー仕上げ/ホワイト色の場合、コードの色はグレーになります。
マット仕上げ(艶無し)

※シェードの仕様がマット仕上げ/ホワイト、グレー25、グレー45の場合、コードの色は同色となります。
シェードの仕様がマット仕上げ/ブラックの場合、コードの色はグレー45(濃いグレー)となります。

画像のようにカラヴァッジオのコードはカラヴァッジオ独特の網目状のデザインになっています。
細部に至るまでのセシリエのこだわりが感じられます。
3つのサイズ

お手入れの仕方・お取り扱いの注意点
照明製品に関する注意事項
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/note-on-all-lamps
無駄を排し素材の真価を引き出す、現代デンマークの旗手
現代のデンマークを代表する女性デザイナー、セシリエ・マンツ。
1992年にデンマーク王立美術院で学び始め、ヘルシンキ芸術デザイン大学への留学を経て、自身のスタジオを設立。コペンハーゲンを拠点に、世界を股にかけて活躍する人物です。
セシリエ・マンツは、一見するとごくシンプルに見えるかたちの中に、素材の魅力を最大限に引き出す工夫と、日々の暮らしに静かに寄り添うような使いやすさを備えたプロダクトを生み出してきたデザイナーです。彼女の作品には、デンマークらしい素材への慈しみと、丁寧に手をかけるクラフツマンシップの精神が息づいており、機能と美が自然と溶け合った「用の美」が感じられます。
▲ Caravaggio(カラヴァッジオ)
デザインのプロセスにおいても、セシリエは自身の手を動かすことを何より大切にしており、スケッチだけでなく、素材を扱う試作の工程まで自ら行います。こうした姿勢は、職人としての訓練を受けたのちにデザイナーとなる人が多い、デンマークのものづくり文化とも深くつながっています。彼女の作品には、「実はとても難しいことを、まるで呼吸のように自然に見せる」そんな独特のすごさがあります。
セシリエは陶芸家の両親のもと、芸術とものづくりが日常にある環境で育ちました。幼少期には佐賀県・有田で過ごした経験もあり、日本の伝統的な陶芸にもふれています。釜で焼成することでわずかに収縮する陶芸の世界では、ミリ単位の精度が求められます。そうした経験を通じて養われた素材への理解と鋭い観察眼は、彼女のデザインの根底にあります。
▲ POUF(プフ)・Caravaggio(カラヴァッジオ)・ESSAY(エッセイテーブル)・ALEGRAES(オーレグラス)/ ラグ
仕上がった作品からは、一切の無駄を排除した洗練と、素材の声に耳を澄ませるように形をつくる優しさが伝わってきます。自身のすべての作品を、アイデアや素材、美意識によってゆるやかに繋がった「ひとつの大きな、進行中の物語の断片」と語るセシリエ。
ギリギリのバランスで保たれた曲線や佇まいには、長く使っても飽きることのない、タイムレスな美しさが宿っています。
FRITZ HANSEN
時代を超えるデザインが集う、北欧の老舗ブランド

フリッツ・ハンセンは、創業150年以上の歴史を誇るデンマークの老舗家具ブランドです。創業以来、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムといった巨匠デザイナーとのコラボレーションにより、時代を超えて愛される名作を生み出し続けています。
クラフツマンシップと北欧のデザイン哲学が融合した家具は、木製以外にもスチールやレザーといった上質な素材と、洗練されたフォルムが特徴。セブンチェアやエッグチェアなど、彫刻作品のような名作の数々。単なる家具ではなく、空間全体を洗練された雰囲気に包み込みます。家具のみならず、照明やアクセサリーまで、トータルインテリアを提案できる豊富なラインナップも魅力です。