優雅に変化する、伸長式ダイニングテーブル。
フィン・ユールの哲学が息づく、北欧の名作｜Bovirke Table
ボビルケテーブルは、フィン・ユールが最も創造的な力を発揮していた時期にあたる1948年、コペンハーゲンで開催された「ニュー・ホーム」展で初めて発表されました。
この展覧会は、新しいライフスタイルに向けた高品質な現代家具の発表の舞台でした。ボビルケ社（Bovirke）のブースでは、48チェア、46ソファ、アイテーブルといった象徴的な作品群と共に世に出たのです。
△ ボヴィルケ スタンドのオリジナル水彩画（写真：Pernille Klemp 所蔵：デザインミュージアム デンマーク）
出典：House of Finn Juhl公式サイト
そのデザインは、単なるダイニングとしての機能を超え、フィン・ユールのデザイン哲学である「シンプルさ、エレガンス、多用途性の融合」を体現しています。
現代の暮らしに求められる機能性と、洗練された美しさを両立。北欧モダンデザインにおける機能主義と美学の融合を示す、重要なマスターピースとして誕生しました。
足元の自由を叶える、波型の曲線美
従来のテーブルの貫（ぬき）は、安定性確保のため、どうしても脚の動きを妨げてしまいがちでした。
しかし、ボビルケテーブルは、波のような形状のクロスバーによって足元の自由を叶えています。
この波型の形状は、フィン・ユールならではの個性的で彫刻的なデザインを反映。
構造的な堅牢性を保ちながらも、脚の可動を妨げることがないよう緻密に計算されています。
これは、彫刻的な美しさと、人間工学的な使い勝手の良さを両立させたフィン・ユールならではの工夫です。
この機能的な造形が、「座る人への配慮」という心地よい価値を空間にもたらします。
驚くほど実用的。用途に応じて自在に広がる伸長機能
収納スペース不要の、スマートな機能美
この伸長式テーブルの最大の特徴は、伸長用の天板をテーブル本体の内部に収納できる構造です。
（※伸長板自体は付属しておりません。別途ご購入が必要です）
これにより、伸長板を別で保管するスペースが不要となり、使用しない時は美しい外観を保ちます。
「美観を損なわない機能性」は、フィン・ユールが機能性とエレガンスを高い次元で融合させた証です。
最大10人掛けへ。優雅さを保つスムーズな展開。
必要に応じて天板を開く際、パイン材で作られた独自の拡張レールが、分割された天板を驚くほどスムーズに展開させます。
その一連の操作は優雅そのものであり、手間を感じさせません。
この伸長機能により、通常時の4〜6人掛け（W1400㎜）から最大10人掛け（W2380㎜）まで対応可能。
日常の食事はもちろん、急な来客やパーティーなど、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる高い多用途性を実現しています。
「買った時が最高ではない」経年変化を設計した、フィン・ユールの哲学
ボビルケテーブルは、フィン・ユール社の工房で、熟練の職人の手によってデンマーク本国で丁寧に製造されています。
その仕上げにおいて特に、ウォルナット材のオイル仕上げは、木材本来の温かい質感と深い色合いを最大限に引き出し、使い込むほどに味わいが増す経年変化（パティーナ）を設計しています。
そして、伸長時の接合部には真鍮（しんちゅう）のディテールが施されています。
構造を隠すのではなく、機能的な美しさとして見せる。
これこそが、安価な量産品にはない、素材の個性を愛でるというフィン・ユールの哲学です。長く愛用することで価値が増していく「物語を語る家具」としての、唯一無二の魅力に溢れています。
おすすめコーディネート －機能美が光る、多用途なダイニング空間－
△ ボビルケテーブル（ウォルナット材・オーク材・ダークオイル仕上げ） / リーディングチェア（ウォルナット材・オーク材・ダークオイル仕上げ）
フィン・ユールの名作、Bovirke Table（ボビルケテーブル）とReading Chair（リーディングチェア）の組み合わせは、美しいデザインと確かな実用性で、ダイニングを上質な安らぎの空間に変えます。
リーディングチェアのポイントは、水平に配された背中の笠木。読書のためだけでなく、横向きや後ろ向きなど、どんな体勢でも快適な姿勢で集中できるよう緻密に考えられています。
そして、テーブルを伸長すれば、広々とした作業スペースが生まれます。
テーブルとチェアの軽やかな曲線と浮いているようなデザインは、互いの美しさを引き立て合い、食事のあともそのまま読書や趣味、創作活動に没頭できる、特別な空間を演出します。
バリエーションと素材について
このテーブルには、伸長式と固定式の2タイプがあり、ご紹介の商品は伸長式タイプの仕様です。
テーブル内部には伸長板を収納できますが、伸長板自体は付属しておりません（※別途ご購入が必要です）。
天板は、突板またはリノリウムの表面に無垢材の縁（エッジ）をあしらうデザインで仕上げられています。
フレームは、オークまたはウォルナットの無垢材仕様に加え、オークのフレームにウォルナット材の天板と脚を組み合わせた「ミックス仕様」も展開されています。
素材の詳細や選び方等については、お気軽にCONNECTまでお問合せ下さい。
デザイナーについて
▶ Finn Juhl（フィン・ユール）
フィン・ユールは、1912年コペンハーゲン生まれ。当初、父親の反対で建築を学びましたが、
その過程で現代美術への関心を深め、独自の発想で家具デザインを手がけるようになりました。
1930年代に北欧モダンデザインが台頭する中、1937年の家具職人ギルド展への出展を機に頭角を現します。
ボーエ・モーエンセンやハンス J. ウェグナーと並ぶデンマーク近代家具デザインの代表的な人物です。
「世界で最も美しい椅子」と称される「No.45」や「チーフテンチェア」など、
優雅な曲線と彫刻的な造形が特徴。家具を芸術作品として捉える独自の発想と造形力で、数々の傑作を生み出しました。
ブランドについて
HOUSE OF FINN JUHL（ハウス・オブ・フィンユール）は、2001年フィン・ユールの夫人ハンネ・ヴィルヘルム・ハンセンにより、
フィン・ユール家具の製造と復刻生産に関する権利を与えられており、 当初の意図と同じ価値観と同じ品質で家具を製造しています。
このアプローチがなければ、フィン・ユールのトレードマークであるユニークな仕上げと繊細なディテールを実現することは不可能でしょう。
最高品質の素材は、何世代にもわたって使い続けられる、エレガントで快適、耐久性のある家具を作るための基礎となります。
したがって、最高級の素材を正確に選択することが、HOUSE OF FINN JUHLの主な焦点となっています。
今日、フィン・ユールのコレクションは40種類以上の作品から成り立っており、
そのすべては高い品質を保ち最上の敬意を払い製造されています。
