暮らしを彩る、永遠のパートナー「セブンチェア」
どこかで見かけたことがある、その美しい佇まい。
巨匠アルネ・ヤコブセンが生み出したセブンチェアは、発表から70年以上経った今も、世界中で愛され続ける名作です。
流れるような曲線は、ただ美しいだけでなく、座る人の身体に優しくフィットするよう計算されています。
イス選びに迷っている方に自信をもっておすすめできる、総合的にバランスの良い優れたイスです。
見た目の美しさだけでない、身体に寄り添う名作椅子
「美しい北欧デザインの椅子を我が家に取り入れたい。でも同時に、ダイニングでゆったり過ごせるよう、座り心地にもこだわりたい。」
そんな方に迷わずおすすめしたいのが、セブンチェアです。
座り心地のヒミツ1- 身体にフィットする「三次元曲面」
セブンチェアの最大の特長は、「成形合板」という革新的な技術によって生み出された、この流れるような美しい曲線です。
9層の薄い板を重ね、蒸気で熱しながら金型で一気にプレスすることで、まるで芸術品のような三次元のカーブが実現されています。
この「三次元曲面」が、座面から背中までを体のラインに沿って、すっぽりと包み込みます。
背もたれ部分のゆるやかなカーブは、背中の丸みに合わせて成型されています。
もたれかかったときに背もたれが優しくフィットするようデザインされているので、背中にあたっても痛くありません。
三次元曲面の体のラインに沿ったセブンチェアだから、体を自然なかたちで支えることができ、どんな体型の方でも座りやすいのです。
座り心地のヒミツ2 - 背中を支える絶妙な「しなり」
座面と背もたれが一体になっているため、座った時に背もたれがしなり、堅い木のイスとは思えないほど、やわらかい座り心地です。
9層もの成形合板で作られているため、しなりがありつつも、丈夫で耐久性のあるつくりになっています。
セブンチェア以外のイスでも、座り心地をよくするために、背もたれに丸みをもたせていたりするものはありますが、背座一体ではないため、しなることはありません。
座り心地のヒミツ3 - アームがなくても肘を掛けてリラックス

実は、セブンチェアには「ひじ掛け」になってくれるところがあります。それは少し張り出した、背もたれの部分。
セブンチェアは、一般的なイスより背もたれが広く、しっかりと体を受け止めてくれるので、姿勢が変わったりくずれたりしても大丈夫。
少し斜めに座ってひじをかけたり、横に向いて座ったり。どんな座り方をしても、リラックスして心地よく座ることができるため、ホッと一息つきたい時やゆっくりお酒を飲みながら食事を楽しみたい時にもおすすめのイスです。
腰痛持ちのスタッフもおすすめ!
実は、過去に椎間板ヘルニアで入院経験があるほどの重度の腰痛持ちスタッフが、「これなら長時間座れる!」と自宅や仕事場でセブンチェアを愛用しています。
成形合板から生まれる背もたれのしなり。適度な弾力性が、座っている間も腰を優しく、しっかりと支えてくれます。
また、アームのないスリムなフォルムは、座る向きを自由に変えたり、疲れたらあぐらをかいたりできる高い自由度があります。長時間同じ体勢で腰が固まるのを防ぐことで、腰へのストレスを軽減。
さらに、椅子自体が非常に軽いため、立ち上がる際にスッと後ろに動かすことができ、動作の負担を減らせます。
ワークチェアとしてもおすすめのセブンチェア。
機能的なワークチェアのような無骨さがなく、洗練されたデザインで腰への優しさが実現している点が魅力です。
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長く安心して使える耐久性
スリムなくびれと背もたれのしなり。でも、椅子を逆さにしてこのくびれ部分の上に大人の男性が乗っかっても割れたり広がったりしないほど、驚きの耐久性を持っています。
それは、9層もの板を重ねて成形するメーカーの高度な技術力の賜物。
この9層のうち、表裏の2枚は木目を美しく見せるため横方向(横取り)に、中の7枚は耐久性と強度を重視して縦方向や互い違いに、といった具合に木材の切り取り方を変えて組まれています。
この構造により、美しい外観と優れたしなり、そして耐久性が両立されているのです。
また、1979年には合板の層の間にコットンのシートが2枚挟み込まれるようになり、座面と背もたれの強度と弾力性(しなり)が向上しました。
オリジナルのデザインを忠実に守りながら、時代や技術の進歩に応じてアップグレードを続けていくメーカーの努力が伺い知れます。
巷では、セブンチェアのコピー品である「リプロダクト」と呼ばれる製品が安価で出回っていることがありますが、デザインのディテールや背もたれのしなり具合、素材の良さ、そして何より耐久性が全く異なります。
コピーしたくなるほど優れたデザイン、でも決して真似できないクオリティ。それが名作家具たる所以なのだと思います。
セブンチェアが可能にするお部屋づくり
木製中心のダイニングも、軽やかに
▲ ダイニングテーブル:エッセイテーブル(CM21 / オーク材・ホワイトオイル仕上げ)
木目の床、木製のダイニングテーブルに木製の椅子を合わせると、少し「ほっこり」しすぎるかも…。そんな風に感じたことはありませんか?
そんなときセブンチェアを取り入れると、スチール製の脚が、木製品が多くなりがちなお家の中に、軽やかでスタイリッシュな雰囲気をプラスしてくれます。
▲ ダイニングテーブル:アナログ円テーブル + アームチェア: CARL HANSEN & SON / Yチェア
Yチェアとの相性も抜群。
椅子をすべてアーム付きで揃えると、どうしても空間が重たく見えがちです。
アームのないスリムなフォルムと、軽快なスチール脚を持つセブンチェアを組み合わせることで、Yチェアの持つ豊かな表情を活かしつつ、ダイニング全体にスッキリ感と抜け感をプラスすることができます。
▲ ダイニングテーブル:アナログ JH63 / オーク
「クローム仕上げの金属脚は色の濃い木製テーブルや床との相性が心配」「浮いてしまうのでは」と感じる方には、粉体塗装仕上げの脚(特に木と相性の良いこげ茶の色味の「ブラウンブロンズ」)がおすすめです。
この塗装仕上げの脚は、マットな質感が特長です。光沢のあるクローム脚に比べ、木の質感に近く、お部屋に置いたときにより柔らかな温かい雰囲気を醸し出します。木の温もりを大切にしたいけれど、セブンチェアの機能的なデザインも取り入れたいという方にぴったりで、木製家具との馴染みが格段に良くなります。
テーブルシリーズと合わせて、洗練されたダイニングに!
セブンチェアは、同じくフリッツ・ハンセンの「テーブルシリーズ」とも相性抜群です。
▲ [1枚目] B611 / グレー / クローム脚
[2枚目] B616 / ブラウンオッタワ / ブラウンブロンズ脚
スーパー楕円テーブルとセブンチェアは、シャープなスチール脚に美しい曲線と、デザインの共通点が多くあります。
足元がすっきりしていて空間に重たさを感じさせず、洗練されたモダンな印象を際立たせます。

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▲ ダイニングテーブル:A603 / グレー / クローム脚
スーパー円テーブルは、円と正方形の中間の形状で、コンパクトながら手元が広々と使えるのが特長です。
これにアームのないセブンチェアを合わせることで、小スペースでも空間を最大限に活用し、複数人で囲んで食事や作業ができる、機能的で美しい空間の完成です。
「金属の脚で、空間が冷たい印象になってしまわないかな?」と不安に思われるかもしれませんが、セブンチェアの丸みをおびた木製シェルのラインと、テーブルの光を反射しにくいフェニックスラミネートの天板が、クールな印象の中にやわらかな雰囲気も加えてくれます。

セブンチェアを取り入れたダイニングのコーディネートについて、ご相談を承っております。
「今使っているテーブルと相性の良いセブンチェアのカラーは?」「セブンチェアを使いたいけどどんなテーブルと組み合わせたらいい?」など、お気軽にご連絡ください!
アルネ・ヤコブセンの情熱が生んだ奇跡
セブンチェアが誕生したのは、1955年。
それは、稀代の建築家アルネ・ヤコブセンによる、それまでの椅子の常識を覆す挑戦でした。
彼は、すでに1952年に「アリンコチェア」で、成形合板という革新的な技術を世に示していました。
そして、この成功と技術への飽くなき探求心をもとに、セブンチェアを生み出したのです。
当時、椅子は木を組み合わせて作られるのが主流でしたが、ヤコブセンは、一枚の合板を蒸して曲げる技術をさらに進化させ、より優美で複雑な曲線を持つ椅子を完成させました。
これは、当時の技術では非常に困難な挑戦でした。
セブンチェアは9枚の薄くカットした板を使用しています。
7枚は中材。外側2枚は表面の仕上げ材になります。
強度、品質を保つために、使用する単板や接着剤にもこだわり、職人の目によるきびしいチェックが行われています。
▲ 製作途中のセブンチェア(単板とインド綿をカット→接着→成形)
ヤコブセンは、家具を「ただの道具」とは考えていませんでした。
彼は、その空間にいる人々の関係性や、そこで生まれる暮らしそのものをデザインしようとしていたのです。
その想いは、無駄をそぎ落とした軽やかなデザイン、そして複数脚でも圧迫感を与えない佇まいに込められています。
▲ 板座仕様であれば最大12脚までスタッキング可能
発表から70年以上。
セブンチェアは、流行に流されることなく、世界中の人々に愛され続けています。
その理由は、シンプルでありながら、空間に確かな存在感と「物語」を与えてくれるから。
どんな家具や空間にも溶け込み、そこにあるだけで、暮らしをより豊かに彩ってくれます。
お手入れの仕方・お取り扱いの注意点
・シェル:木材(ラッカー仕上げまたは着色塗料仕上げ)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/lacquered-or-coloured-wood
・シェル:ファブリック
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/textiles
・シェル:レザー
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/leather
・脚部:クローム仕上げ
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/chrome
・脚部:金属(粉体塗装仕上げ)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/powder-coated-metal
アルネ・ヤコブセン 植物を愛した完璧主義者
アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen, 1902-1971)は、デンマークを代表するデザイナーであり、建築家としても名高い人物です。
彼のデザインの最大の特長は、建築から家具、照明、小物に至るまでを一貫して手がける“トータルデザイン”のアプローチにあります。建築と調和しながら、空間の中で機能し、美しくある家具を生み出すという哲学は、今なお多くのインテリアデザイナーに影響を与えています。
ヤコブセンのデザインはなぜ、こんなにも人を惹きつけるのか?
ヤコブセンは「デザインは単なる形ではなく、使う人々の快適さを考えたものであるべき」と考え、美しさと使い心地の両面を、細部にまで徹底的にこだわり抜いてプロダクトを作り上げる完璧主義者でした。
セブンチェア、アリンコチェア、グランプリチェア、スワンチェア、エッグチェア... 時代を超えて愛される名作の数々は、成形合板やファブリック、レザーといった異素材を駆使しながら、人間工学と彫刻的な美しさを見事に両立させています。
実はヤコブセンはもともと、植物学者になりたかったという背景を持っています。
彼のデザインには自然界からのインスピレーションが色濃く反映されており、自然の有機的な形状を作品に取り入れることに強い関心を持ち続けました。例えば、ドロップチェアのフォルムやリリーチェアのデザインは、自然界の形状や動きを模倣しており、ヤコブセンの植物学的な背景が彼のデザインに独特な影響を与えています。
総じて、アルネ・ヤコブセンはただのデザイナーではなく、空間そのものをデザインし、機能と美を両立させた革新者でした。自然美と人間的な温かみに包まれた彼の作品は、今もなお北欧デザインの金字塔として、世界中のデザイン愛好家に愛され続けています。
FRITZ HANSEN
時代を超えるデザインが集う、北欧の老舗ブランド

フリッツ・ハンセンは、創業150年以上の歴史を誇るデンマークの老舗家具ブランドです。創業以来、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムといった巨匠デザイナーとのコラボレーションにより、時代を超えて愛される名作を生み出し続けています。
クラフツマンシップと北欧のデザイン哲学が融合した家具は、木製以外にもスチールやレザーといった上質な素材と、洗練されたフォルムが特徴。セブンチェアやエッグチェアなど、彫刻作品のような名作の数々。単なる家具ではなく、空間全体を洗練された雰囲気に包み込みます。家具のみならず、照明やアクセサリーまで、トータルインテリアを提案できる豊富なラインナップも魅力です。