コーア・クリントは代表作KK96620 フォーボーチェアを1914年にデザインしました。そして翌1915年に開館したフォーボー美術館の開館式典で一般に発表されました。
デニッシュモダンの最初の名作として国際的な評価を受けるフォーボーチェア。この椅子をきっかけに、デンマークデザイン界は新しい時代に大きく一歩を踏み出しました。1950年代に大きく花開く、デニッシュモダンの基盤を作ったデザインと言えます。
まだ新進デザイナーだったクリントは、フォーボーチェアのデザインにおいて、まず要求されたすべての要素を細かく検討。展示品の前に座り、じっくりと鑑賞できるよう、軽量で移動が簡単なことが要求されていました。そして、クリントは要求を見事に満たす椅子をデザインしました。
整然とした素材、形、構造の融合がフォーボーチェアの無駄のないフォルムの基盤。それまでになかった斬新な椅子ですが、古典デザインへの敬意とモダニズムが一つになった、クリントらしいデザインと言えます。優雅なフォルムに映えるクリントの稀有なバランスとプロポーション感覚。建築と家具デザインを分け隔てることなく、両方で一つと捉えるクリントの思想もこの椅子によく表れています。