2026年、ルイスポールセンがPHランプの誕生100周年記念「PH センテナリー・コレクション」として発表したPH 3 1/2-2 1/2 フロアランプ センテナリー・エディションは、独創的なシステムであるPHの歴史を現代的に解釈した、特別な製品です。
ランプ本体は、エイジング加工した古色を保つために丁寧にラッカー塗装を施した真鍮製。トップシェードは、吹きガラス製法で作られた四層構造の琥珀色ガラス、そしてミドルとボトムシェードは同じく吹きガラス製法で作られた三層構造の乳白ガラスという、興味深いコンビネーションです。いずれもガラスの外側は光沢仕上げ、内側はサンドブラスト加工によるマット仕上げとなっており、暖かみのあるアンビエントライトを上方に向けて部屋を照らし、柔らかい反射光によってグレアのないタスクライトを下方に向ける、質の高い照明です。また、コードにはダーク・ブラウンのテキスタイルコードを使用し、ヴィンテージ感を与えています。
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100年の時を祝う、琥珀と真鍮の落ち着いた品格
1925年、ポール・ヘニングセンがルイスポールセン社と共に歩み始めてから100年。その記念すべき2025年(発売は2026年4月)に登場したのが、この「PH 3 1/2-2 1/2 フロアランプ センテナリー・エディション」です。
人間を照らす良質な光。画期的な照明器具の誕生
参照:LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
灯りと言えばキャンドルやオイルランプだった時代。ヘニングセンが手掛けたPHランプは画期的な道具として、当時の建築家やデザイナー達から深く愛されました。彼が生涯で生み出した100種類以上のPHランプは、やがて住宅用の照明として広く取り入れられるようになり、現代も世界中で愛され続けています。
「人間にとって良質な光を与える」というヘニングセンの哲学
ヘニングセンがデザインした照明器具は、どれも美しい光のグラデーションが特徴です。
この光の秘密は、巻貝のカーブと同じ「対数螺旋(たいすうらせん)」という数学的な形がシェードに応用されていること。下図のように、光がどの角度から当たっても同じ角度で反射します。
ヘニングセンが何よりも追求した「直接電球の光が目に入らない(グレアフリー)」という目的をこの仕組みで解決すると同時に、なめらかで美しい光のグラデーションを生み出しているのです。
記念モデルを彩る、3つの特別な意匠
1. 4層ガラスが魅せる、濃密な琥珀色
過去の3層モデルから、手吹きガラスの「4層構造」へとアップデート。
ガラスの厚みが増したことで琥珀の色味がより濃密になり、消灯時の深い色合いも際立ちます。
内側のサンドブラスト加工が光を優しく拡散させ、ふんわりとした温かみを空間に広げます。

▲PH 2/1 琥珀色ガラス テーブルランプ(2020年モデル)
2. 乳白ガラスが生む、軽やかな抜け感
すべてが琥珀色だった過去のモデルに対し、中段と下段のシェードに乳白ガラスを採用。この白い層が入ることで視覚的な重さが軽減され、軽やかな印象を与えます。
光を効率的に下方向へ広げ、読み書きをする手元までしっかりと明るく照らす実用性も備えています。
3. 空間に静かに馴染む、エイジドブラス
ベースと支柱には、年月を経たようなアンティーク調の風合いを持つエイジドブラス加工を採用。マットな質感が、琥珀色のシェードと完璧な調和を見せます。表面のラッカー塗装により、変色を気にせず美しい古色を長く保つことができます。
ダークブラウンのテキスタイル(布)コードにはフットスイッチを備え、足元でスムーズな点灯・消灯が可能です。
届いたその日から、長年大切に受け継いできたヴィンテージ家具のような、それでいて時を経ても色褪せない、特別な存在感を放つ仕上がりです。
名作として愛され続ける、普遍的な機能美
1. 空間と手元を美しく照らす、光の調和
計算された3枚のシェードにより、壁面へ光を広げるアンビエント機能と、手元を照らすタスク機能が絶妙なバランスで両立しています。内面のフロスト仕上げによって眩しさを抑えつつ、読書などに必要な明るさをしっかりと届ける心地よい灯りです。
壁に反射した柔らかな光は、ずっと眺めていたくなるほどの落ち着きをもたらします。
2. 日本の住空間に寄り添うサイズ感
確かな存在感を放ちながらも大きすぎないため、日本の住宅のコーナーやソファ横にも圧迫感なくおさまります。
アクリルシェードで軽快な「PH 80 フロア(径55cm)」や、広い空間向けの「PH 4 1/2-3 1/2 グラスフロア(径45cm)」に比べ、こちらは径33cmと比較的コンパクトにおさまります。
お部屋の品格を崩すことなく、空間の余白にそっと美しく佇む、ちょうどいいサイズ感です。
スタッフレビュー|絶妙なバランスが生む心地よさ
「お部屋のコーナーに設置するのが特におすすめです。上部へ抜ける琥珀色の光が壁面にほのかに広がり、空間に奥行きと暖かな雰囲気をプラスしてくれます。乳白ガラスの抜け感があるため、重厚になりすぎない絶妙なバランスを楽しんでいただけます。」
理想の空間を叶える、スタイリングのコツ
北欧ヴィンテージとの豊かな調和
チークやオークなど、年月を経た深い色味の木製家具とは抜群の相性を誇ります。シルバーやクロームのきらびやかさとは一線を画す、マットで静かな佇まい。琥珀色の光とエイジドブラスの落ち着いた輝きが、時の経過を刻んだ木の温もりをより豊かに引き立てます。
モダンインテリアの美しい差し色
ホワイトを基調としたお部屋や、スチール・ガラスを用いたクリーンな空間への配置もおすすめです。無機質な空間の中に置くことで、琥珀色とエイジドブラスの風合いが美しい「差し色」として機能し、洗練されたコントラストを生み出します。
組み立て方法
こちらはお客様ご自身での組み立てとなります。支柱に3枚のガラスシェードを取り付けていきますが、一番下のシェードは3本のネジで固定するため、両手で慎重に作業をお願いいたします。また、組み立て後に高さ調節ナットを回すことで、光のバランスの微調整が可能です。
付属の取扱説明書をご覧になりながら、ご自身のペースでゆっくりと進めてみてください。
メンテナンス
定期的に(6か月程度)部品のゆるみがないか点検してください。普段のお手入れは乾拭きでほこりを取ってください。汚れがあるときは、軟らかい布に中性洗剤を浸し、よく絞って拭いた後乾拭きしてください。ガラスシェードに汚れがあるときは、シェードを1枚ずつ外し、食器用の中性洗剤と柔らかいスポンジでやさしく洗った後乾拭きしてください。ガラスシェードが破損してしまった場合、スペアパーツのご購入も可能です。ご希望の方はお問い合わせください。
近代照明の父、ポール・ヘニングセン
光を科学し、人々の対話を促す「人道主義」
彼が「近代照明の父」と呼ばれるのは、単なるランプの形を作ったからではありません。それまでただの「明るくする道具」だった電灯を、「人々の暮らしを健やかにし、お互いの顔を美しく照らして対話を促す装置」へと変えたからです。
1920年代、普及し始めたばかりの裸電球の刺すような光は、人々の瞳孔を無理に収縮させ、表情を強張らせていました。ヘニングセンはこの「不快な眩しさ(グレア)」を近代社会の欠陥と捉え、生涯をかけて戦いに挑みました。
▲1927年当時の写真
参照:LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
彼が目指したのは、光が強すぎず弱すぎもしない、瞳孔がふっと緩んで心から安らげる空間。優れた建築家であり、鋭い社会批評家でもあった彼の「質の高い光は人々の生活を救う」という徹底した人道主義が、現代の北欧デザインの根底に流れています。
光をかたちづくる。デンマークの老舗「Louis Poulsen」
職人の呼吸が宿るクラフトマンシップ
1874年に創業したLouis Poulsen(ルイスポールセン)。彼らのものづくりは、現代の効率的な大量生産とは対極にあります。シェードに使われる吹きガラスは、現在もイタリアの熟練職人が1400度の炉と向き合い、一本の竿から息を吹き込んで成形しています。手作業ゆえに生じるコンマ数ミリの厚みの違いが、工業製品にはない温もりを与えます。
世代を超えて受け継がれる「一生モノ」の約束
「形態は機能に従う」。彼らは単に美しいランプを作っているのではなく、インテリアファンや本物志向の人々が、長い年月を共にするための照明器具を真摯に作り続けています。ガラスが割れてしまった場合のスペアパーツの供給はもちろん、ソケットの位置を調整できる機構によって、時代ごとの電球の変化にも対応し、計算された完璧な配光を再現し続けることができます。 古びて捨てるのではなく、経年変化する真鍮の輝きとともに、親から子へ、そして次の世代へと受け継いでいく。ヴィンテージ照明として長く愛される、真の一生モノの価値がここにあります。