大きな両腕に守られて、心ほどける至福のひと時。
ハンス J. ウェグナーがデザインしたラウンジチェア「PP19」。
後ろから大きなクマに抱きしめられているような独特のフォルムから、「パパベアチェア」の愛称で親しまれています。
腰を下ろした瞬間、ふわりと体を包み込む安心感。
忙しい日常の喧騒から離れ、自分だけの静かで豊かな休息の時間を過ごせる、部屋の中の小さな隠れ家のような特別な居場所です。
ウェグナー自身が晩年まで手放さなかった椅子
数々の名作北欧家具を生み出した巨匠ウェグナー。
彼が施設へ入居する際、数ある自作の中から晩年の暮らしの場へと移したのがこの一脚でした。
1951年の誕生から現在に至るまで、世代を超えて愛され続ける理由はここにもあります。
ただ座るための道具ではなく、人生の時間を共に重ねるパートナーとしての確かな説得力を持っています。
どんな姿勢でも受け入れる、おおらかな造り
広い座面とアーム下の切り込みにより、あぐらをかいたり斜めに座ったりと、自由な姿勢でくつろげる構造。頭や肩までしっかり預けられるハイバック仕様と、腰部分の絶妙な膨らみ、そして内蔵されたスプリングの反発力が、身長や体格を問わず心地よいフィット感をもたらします。
▲アーム下の切り込みデザインによって脚を入れ込む体勢もとれます。
見えない部分に宿る、何十年も続く心地よさ
呼吸する天然素材がもたらす、快適な座り心地
内部には人工素材を一切使用せず、綿、馬毛、ヤシの繊維、麻、そして約40個の金属スプリングを層状に配置しています。使用するバネは、マットレスを裂いて研究を重ねたこだわりのもの。
素材自体が呼吸する「身体が喜ぶ」ような座り心地が生まれます。
さらにこの伝統的な構造は、数十年で劣化してしまう人工素材とは異なり、実際に50年愛用されたパパベアチェアであっても修復して蘇らせることができ、一生モノと呼ぶにふさわしい耐久性を誇ります。
使い込むほどに、摩耗するのではなく、座る人の身体に寄り添うように”馴染む椅子”へと変化してゆく。
この見えない部分にこそ、ウェグナーの想いとPPモブラーの哲学が息づいているのです。
見えない構造から形作られる、強靭さと美しさ
布で隠れる内部フレームにも、表面材と同等レベルの高品質なビーチ材やアッシュ材等を贅沢に使用。
後ろ脚からアームまでを1本の木材で繋ぐことで、体重をかけても揺るがない圧倒的な強度を実現しました。
▲切れ込みの様に見える部分は張地をとめる境目の部分。
見えている部分をオイル仕上げにしているため隠れる部分との色が異なります。
▲生地を張った後にシャープなシルエットを描くため、内部フレームのエッジはすべて職人が手作業で丁寧に削り出しています。
PP Mobler が誇る職人技
パパベアは、熟練の職人がひとつひとつ手作業で仕上げていくチェアです。
天然素材を用いた美しいフォルムの成形は至難の業。
布や革で覆う前の両アームの詰め物作業だけでも、丸2日半もの緻密な手仕事が隠されています。
パパベアチェアの張り作業には少なくとも 1 週間(ファブリックは約6日、レザーは約12日)かかり、各職人が最初から最後まですべての工程を実行し、極めて丁寧に仕上げられています。
実用性が生んだ必然の意匠
アームの先端が木製の「爪」のような形状をしているのは、デザイン上のアクセントとしてだけでなく、非常に実用的な理由があります。
手の脂や汚れが最も付着しやすいこの部分を、メンテナンス性に優れた木材で覆うことで、ファブリック部分の早期の汚れや摩耗を防ぎます。
これは、製品の耐久性を高め、椅子全体の美しさを長く保つための緻密な設計です。
部屋の真ん中に置きたい、360度美しい姿
脚元に向かってすっきりと細くなるフォルムが、大型ラウンジチェア特有の圧迫感を和らげます。
背面まで一切の妥協なく仕上げられているため、壁際だけでなくリビングの中心にも美しく配置可能。
お部屋に合わせて選べる、完全受注生産の仕様
選ぶ素材の組み合わせによって、パパベアチェアはガラリと表情を変えることができる、完全受注生産です。
木を中心とした温かみのある空間にも、都会的でモダンな空間にも、オーダーメイドで自分好みのパパベアチェアに仕立てることができます。
アーム先端の「爪」部分もチェリー、ウォルナット、チークなどの樹種から選択でき、縁取りのパイピングや背もたれのボタンの仕様まで、細部に至るまでこだわりのオーダーが叶います。
また、張り地は上質なファブリックや最高級レザーから選べるほか、背面と前面での張り分けも可能です。
▲「爪」部分にチーク材を用いた仕様。
レザーパイピングは、つなぎ目の強度を高めつつ、引き締まったシャープな印象を与えます。
▲レザーパイピングに合わせて、背中のクルミボタンもレザー仕様に。
心地よさをさらに深める、専用オットマンとのコーディネート
ベアチェアに合わせてデザインされた専用オットマン「PP120」。
脚を伸ばして体重を預けることで体圧が分散され、長時間でも疲れにくい、より深いリラックス姿勢を保てます。チェア本体と張り地や木部の素材を揃えることで、空間に美しい一体感が誕生。
よくあるご質問
Q.座面クッションの汚れが心配です。メンテナンスできますか?
A.座面のクッションは、取り外し式でリバーシブルでお使いいただけます。汚れた場合には、クッションだけ交換することもできます。
Q.PP19を購入する際の注意点はありますか?
A.大型家具となるため、サイズに基づく必要なドア幅など、事前の搬入経路の確認方法は専用ガイドページをご覧ください。
▶大型商品の搬入経路について
世界最高峰の家具工房PP Moblerと巨匠ウェグナー
現在、パパベアを製作しているのは、1953年に創業して以来、ウェグナーとともに数々の名作を世に生み出したデンマークの家具工房PP Mobler(PPモブラ―)。木材の調達から加工、最後の仕上げまで、家具作りの全工程を自社工房で行い、少数の優れた職人の手仕事で高品質な家具を製造してきました。
パパベアチェアは1951年AP Stolen社で生産開始、1953年からPP Moblerがフレーム製造の下請けに。AP社廃業で一時生産停止するも、PP Mobler創業50周年を記念し2003年に復刻。以降、ウェグナー遺族の意向で全工程をPP Moblerが一貫して手掛けています。
PP Moblerにとってパパベアは、自社で製造された最初のウェグナーデザインであり、その後の長きに渡るウェグナーとのパートナーシップを築くきっかけともなった特別な一脚です。