ヤコブセンが最後に作りたかったチェア『LILY(リリー)』50周年記念復刻。

こんにちは、スタッフの本宮です。
デンマークデザインの巨匠アルネ・ヤコブセン。最も有名なセブンチェアをはじめ、ヤコブセンのチェアはきっとどこかでみなさん目にしたことがあると思います。世界中で愛され、今なお多くのファンを持つヤコブセンが最後に作りたかったチェア『LILY(リリー)』が発表50周年を記念し、復刻しました。

LILY リリー エイトチェア

“エイトチェア”という愛称でも親しまれるリリーは1970年(ヤコブセンが死去する前年)に発表され、ヤコブセンがデザインした最後のチェアとなりました。リリーの体を包み込むような立体的な曲面はセブンチェアをはるかに凌ぎ、当時の技術では安定して製品化することが難しく、数年しか製造されませんでした。50年の時を経て、現在の技術を駆使し、ヤコブセンが最後に理想としたデザインの復刻が実現しました。

アームなしアーム付きの2つのモデルで、当時製造していたナチュラルウッドモデルがウォルナットで復刻です。

LILY リリー エイトチェア

 

 

ヤコブセンデザインの集大成

リリーはヤコブセンがデンマーク国立銀行のためにデザインしたチェアです。リリーの最初のモデルである“3108(アームなし)”は1968年に誕生し、“3208(アーム付き)”は1970年のデンマーク国際家具見本市で初公開されます。1971年にヤコブセンが死去する前年に発表され、ヤコブセンがデザインした最後のチェアとなりました。

リリー エイトチェア LILY

成形合板技術を用いたチェアとして、1952年にアントチェア、1955年にセブンチェアを発表してから約15年の歳月が流れていました。彫塑的なシャープなフォルムや、体を包み込むような曲面は、成形合板技術を駆使したヤコブセンデザインの集大成といえます。

リリー エイトチェア LILY

 

 

現代の技術で実現した圧倒的な曲線

リリーのデザインには脚の部分以外にほぼ直線がなく、体を包み込むような立体的な曲面でできています。この曲線を成形合板の技術で製造するのはセブンチェアに比べても圧倒的に難しく、アントチェアと比べると違いは明らかです。ヤコブセンがデザインした1970年当時の技術では、製造しても4脚に1脚しか製品として合格しないほど安定して製品化することが難しく、数年しか製造されませんでした。

リリー エイトチェア セブンチェア 比較
(左から:セブンチェア、リリー、アントチェア)

現在の技術で試行錯誤を繰り返し、この完璧なフォルムを実現して、ようやく復刻となりました。リリー最大の特徴であるスタイリッシュな細いくびれで強度を出すため、背座面はセブンチェアよりも1層多い10層の成形合板でつくられています。8層の内層にはビーチ材、2層の外層(前面および背面)にはウォルナット材が使用されています。

リリー エイトチェア LILY

表面に使用しているウォルナット材は、英語でハードウッドと表現されるほど密度が高く、硬くて丈夫という特徴があります。これらの特徴は、愛着を持って長く使用するために重要ですが、製造面で強度が求められる、成形合板の曲げの工程でも重要となってきます。つまり、ウォルナットはリリーに最適な選ばれし素材と言えます。

ウォルナットは成長が非常にゆっくりで、製品として使用できるまでに時間がかかる上、1本から使用できる量が限られているため、とても貴重な木材であり、今後ますます入手が難しくなるといわれています。

LILY リリー エイトチェア

 

 

ヴィンテージファンの声に応えて復刻が実現

リリーは“3108”という発表当時のモデル名の最後の一桁をとって “エイトチェア”という名前でも、ヴィンテージファンには親しまれています。1970年当時の製造技術では多く製造できなかったため、非常に希少価値が高く、ファンから復刻を望む声が多くありました。

実は今回、日本からデンマークへ復刻をリクエストして、リリー発表50周年を記念して復刻が実現したそうです。2020年限定で、座面の裏側には50周年の特別なタグがつく、記念モデルとなります。

LILY リリー エイトチェア 記念モデル

 

 

インスピレーションは植物や自然界の形から

モデル名となっている『LILY(リリー)』とは百合の花を意味します。アーム付きの後ろ姿は特に花びらのように感じられます。ほかにも、背面の形がクジラのしっぽを連想させたり、アーム付きを前から見たらペンギンのようにも見えたり、生き物を連想させる形をしているなと感じます。直線がほぼ見られず、有機的な曲線で形作られています。

LILY リリー エイトチェア

ヤコブセンは晩年「生まれ変わったら庭師になりたい」と言っていたほど植物や自然が好きで、ヤコブセンのデザインは植物や自然界の形にインスピレーションを受けてデザインしたと言われています。しかし、デザインの由来など詳細は残されておらず、ヤコブセンがどのようにインスピレーションを受けてこのデザインになったのかは、想像するしかありません。それは逆にそれぞれの人がどのように解釈してもいいということになります。

ヤコブセンの理想とした有機的な曲線は、つつみこまれるような安堵感を与えてくれます。

 

 

 

 

 


今回ご紹介したアイテム

【LILY(リリー)】

ブランド:Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)デンマーク
デザイナー:Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)
素材:本体/成形合板(内層ビーチ材・外層ウォルナット材) 脚/スチールパイプ製(クローム仕上げ)

『3108(アームなし)』
サイズ:W540×D490×H800/SH430 (約mm)
価格:¥86,000(税別)

『3208(アーム付き)』
サイズ:W620×D490×H800/SH430/アームの高さ680 (約mm)
価格:¥152,000(税別)

 

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この記事を書いた人

本宮

アウトドアが好きで、週末は夫婦で山登りをしたり海でカヤックをしたり島でキャンプをしたり、四国の自然を満喫しています。最近、知人の畑の一部を借りて野菜作りをはじめました。採りたて野菜をシンプルに美味しくいただく料理法を勉強中です。

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