Artek(アルテック)照明辞典①「A330S “Golden Bell“」

北欧を代表する家具ブランド「Artek(アルテック)」。アルテックの家具というとスツールやチェアなどの木製家具のイメージが強いかもしれませんが、実は照明も幅広いバリエーションがあります。
時代に左右されないシンプルなデザインと機能性、彫刻のような美しさを兼ね備えたアルテックの名作照明の数々を、これから「Artek(アルテック)照明辞典」としてご紹介していきたいと思います。

1回目は「A330S “Golden Bell“(ゴールデンベル)」についてご紹介します。

 

 

鐘のような形と滑らかなシルエット

「ゴールデンベル」という名前の通り、A330Sは鐘のような形と滑らかなシルエットが特徴です。デザイナーのアルヴァ・アアルトは、フィンランドの自然からインスピレーションを受けているので曲線を使ったデザインのものが多く、このA330Sもアアルトの哲学を体現したデザインの1つと言えます。
そもそもアルテックのペンダントライトには、明りが灯っていてもいなくても彫刻のように美しい存在感と、グレアフリー(眩しさを感じさせない)の柔らかい灯りが大切な要素になっています。空間に温かみと柔らかさを与えてくれる美しい照明です。

 

 

ヘルシンキの老舗レストランの内装のためにデザイン

A330Sは、元々ヘルシンキの中心街にある格式の高い老舗レストラン「Ravintola Savoy(ラヴィントラ・サヴォイ)」の内装のために、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトによって1936年にデザインされました。
エレガントな真鍮のペンダントランプをデザインし、翌年にパリ万博のフィンランドパビリオンで発表。後に「ゴールデンベル」という愛称で呼ばれるようになります。

 

 

スリットからもれる温かな光

A330Sのシェードの下部に1cmほどの小さなスリット(穴)がぐるりと並んでいます。このスリットからもれる温かな光が空間に優しい印象を与えてくれます。A330Sに限らずアルテックの照明ほとんどにこの技法が使われています。

 

 

サイズ・バリエーションについて

サイズ:φ170×H200(約mm)コード全長:1000mm(シェード含む)

 

A330Sのカラーバリエーションはペンダントライトで5種、ウォールランプが1種です。

【ペンダントライト】

A330Sペンダントライト一覧はこちら

 

【ウォールランプ】


Artek/ A330S Wall Lamp “Golden Bell”/ ブラス

ウォールランプはペンダントライトのブラスと同じカラーのみとなります。

 

ランプ:E26 LED電球 40Wタイプ×1(E26 一般電球 40Wまで使用可能)

通常、A330Sの付属の電球はホワイトガラスの電球が付属されていますが、電球を透明ガラスの電球に変えると上の写真右のようにスリットの影が光の輪のように現れます。壁面に近い場所に吊ることでまた違った雰囲気もお楽しみいただけます。
(写真左:ホワイトガラス電球、右:透明ガラス電球)

 

シェードと同素材のシーリングカバーつき

A330Sペンダントライトはシェード部分と同素材のシーリングカバーがついており、ブラスやサヴォイはシェードと同じ真鍮素材のシーリングカバーになっています。

 

 

「ブラス」と「サヴォイ」の違いについて

A330Sペンダントライトのブラスとサヴォイは同じ真鍮素材を使用しており、見た目もよく似ているので「どっちがおすすめですか?」「違いはなんですか?」などお問い合わせをいただくことが多いです。そのブラスとサヴォイの違いについて説明していきます。
塗装の仕上げや光の色味など微妙に違う部分があるので、どちらにしようか迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

 


▲左:ブラス、右:サヴォイ

 

①塗装仕上げの違い

ブラスは真鍮のシェード外面がクリア塗装仕上げになっているので、ほぼ経年変化をせずゴールドの美しい輝きを保つことができます。反対にサヴォイは真鍮のシェード外面が無塗装仕上げになっているので、空気に触れることで酸化し、使用環境や年月によってゆっくりと表面の色が変化していきます。経年変化を楽しむことができるのはサヴォイならではです。


▲サヴォイのシェードの表面が経年変化したもの

 

②コードの色

ブラスはホワイトのゴム製のコード、サヴォイはブラックのファブリックコードになっています。サヴォイはヘルシンキにある「ラヴィントラ・サヴォイ」レストランに実際に吊っているものを忠実に再現したデザインになっているので、モダンでシックな雰囲気のお部屋にぴったりです。

 

③光の色味

ブラスはシェードの内面がホワイト塗装仕上げになっていて、サヴォイは外面と同様に無塗装になっています。ホワイト塗装は電球の色がそのまま反射して光りますが、サヴォイの場合は真鍮の色に反射するので光が少し黄味がかった色味になります。またサヴォイはホワイト塗装されたブラスとは違って、経年変化していくことで控えめな光の色に変化していきます。

 

 

日本の住宅天井高に合わせて設定されたコード長

A330Sの限らずアルテックの照明器具は、現存の日本の住宅天井高の平均を2.2~2.4mとして算出して設定しています。CONNECTで取り扱いのあるルイスポールセンやフリッツハンセンの照明器具に比べて、アルテックの照明器具は比較的コードの長さが短めなのが特徴です。

例えばルイスポールセンの照明はコードの長さだけで約150cmくらいありますが、A330Sは全長(引掛シーリングキャップ上端から、器具下端までのこと)が100cmなので、コードの長さは80cmとなっています。

どこで吊りたいか、どのように使いたいかなどでコードの長さは変わってはきますが、一般的な住宅の天井高でダイニングテーブル上に吊るす場合、コード加工なしでそのまま吊っても十分灯りの確保ができるパターンもあります。吊りたい場所の天井高やテーブル高など事前に十分ご確認の上ご購入ください。
またコード延長などもできますので、コードの長さにお悩みの方はお気軽にご相談ください。

コード加工についてはこちら

 

 

日々のお手入れについて

日々のお手入れとしては定期的に埃を払ったり、乾いた布で拭くだけでOKです。
ブラスはシェードがクリア塗装仕上げになっているので手でそのまま触っても問題ありませんが、サヴォイは無塗装の真鍮なので素手で触ると変色します。素手で触った場合はアルコール、エタノールなどで拭く、また頑固な汚れには中性クリーナー、中性洗剤または軽く湿らせ固く絞った布で拭き取れば大丈夫です。

 

 

A330S(ゴールデンベル)を使ったコーディネート

A330Sはコンパクトなサイズ感なので、場所によって1灯吊りもしくは多灯吊りでも使いやすい照明になっています。それぞれのコーディネート例をご紹介します。

・1灯吊り

同じアルテックのTABLE 95半円テーブルを合わせたコーディネートです。

 

お部屋のコーナーやサイドテーブル上にも。読書をしたい場所の手元灯として最適です。

 

 

・多灯(2灯)吊りの場合

ダイニングテーブル上に2灯吊るしたコーディネートです。テーブルサイズに合わせて複数を中央で1列に配置するのが北欧らしくてステキです。

 

こちらはキッチンカウンター上に2灯吊るしています。ダイニングやリビングから見た時に空間の良いアクセントになります。

 

 

デザイナーについて

「北欧の賢人」と呼ばれた、アルテック創業者のひとりアルヴァ・アアルト。1898年フィンランド中西部のクオルタネ生まれ。ヘルシンキ工科大学を卒業後、ユヴァスキュラ市で「建築・モニュメンタルアート事務所アルヴァ・アアルト」を開設しました。1976年、78歳で亡くなるまで生涯に200を超える建築を設計しました。自身が設計した建築に合わせて家具のデザインも手掛け、プロダクトデザイナーとしてもその名を残しました。

 

 

Artekについて

アルテックは1935年にアルヴァ・アアルトが自作の家具を国内外に販売するために、妻:アイノ・アアルト、マイレ・グリクセン、ニルス・グスタフ・ハールで設立した、北欧モダンを代表する家具ブランドです。「art」芸術と「technology」高い技術の融合により、「artek」としてモダン家具を追求するという先進的な試みを行ってきました。
アルテックは地元フィンランドの自然素材を調達し、自然の循環を妨げることのない製造方法で安全性と耐久性の高い、優れた製品を作り続けてきました。暮らしの中のあらゆる場面で多用途に使える実用性と機能性を兼ね備えた持続可能なデザインを作り続けること、それがアルテックの哲学です。

 

 

まとめ

アルテックの「A330S(ゴールデンベル)」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
鐘のような形と滑らかな美しいシルエットが目を引き、空間に温かみと柔らかさを与えてくれる照明です。お部屋に取り入れやすいコンパクトなサイズ感の照明ですのでぜひご検討ください。
これからアルテックの名作照明の数々をどんどん紹介していきますので次回をお楽しみに!

 

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▼詳細についてはYouTubeで解説していますので、ぜひご覧ください。

 

 

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この記事を書いた人

meo

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香川県生まれ、香川県育ちのmeoです。CONNECTに勤めて早10年近くになりました。北欧のインテリアの魅力を発信しつつ、お客様のインテリアに対するお困り事が解決できるようなブログを書いていけたらと思っています。

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