天然素材と化学繊維(合成繊維)、どう違う?比較して見えたウールの魅力【ラグ解説BLOG】

ラグ
 

こんにちは!CONNECTスタッフの瀧田です。前回のブログでは、北欧ラグの魅力や特徴についてご紹介しました。

(前回の記事はこちら『北欧ラグとは?魅力と特徴、おすすめポイントを分かりやすく解説!【ラグ解説BLOG】』)

今回は第2弾。「素材」に焦点を当て、特に私たちがウールラグをおすすめしている理由を、この記事を通してみなさんに知っていただけたらと思います。

ウールは、北欧の暮らしにおいて長く愛されてきた素材で、他の天然素材や化学繊維にはない特性があります。もちろん、コットンやリネンなど他の天然素材にもそれぞれの良さがありますが、ウールがもたらす心地よさや使い勝手の良さは格別です。

それでは、素材ごとの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、ウールラグの魅力をお伝えしていきます。ラグ選びに役立つ情報が満載ですので、ぜひ参考にしてみてください。

 

▲KASTHALL(カスタール) / HARPER(ハーパー)

北欧の暮らしにおいて、ラグは家具と同じくらい日々の生活に欠かせない存在です。毎日のそばにあり、長く愛用されるからこそ、まず大切になるのが「素材」です。

なかでも、ウールは昔から選ばれてきた天然素材。
寒さの厳しい冬はもちろん、夏も心地よく使える機能性があるうえ、環境にもやさしいという理由から、今でも多くの人に支持されています。

ウールはそのサステナブルな特性が、北欧の価値観とも深く結びついています。再生可能な資源であるため、環境への負荷を抑えつつ、長期間使い込むことができ、時間をかけて味わいが深まる点が魅力です。

北欧の人々が大切にする「自然との調和」「長く使うことの美しさ」といった考え方が、ウールが愛され続ける理由のひとつとなっています。

 

素材の特徴とメリット&デメリット

ラグに使われる素材には、主に天然素材と化学繊維があり、それぞれが持つ特性により、使い心地や耐久性に違いがみられます。

天然素材は、北欧らしい環境への配慮と心地よさが特徴です。ウールやリネンなどは、長期間使うことで経年変化を楽しむことができ、時間とともにその魅力を実感できます。

一方で、化学繊維は、軽量で価格が手頃である点がメリットですが、吸湿性が低く、静電気が発生しやすいなどのデメリットもあります。特に湿度が高い場所では、快適さが損なわれることもあるため、ラグに取り入れる場合は素材選びに注意が必要です。

今回はその中でも、注目される天然素材3種(ウール・コットン・リネン)と化学繊維、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

 

 

天然素材(天然繊維)

ウール/羊毛

ウール/ひつじ/羊

【原材料】
羊の毛

【特徴】
保温性と吸湿性に優れ、夏はさらっと冬はあたたか。1年を通して快適に使える素材です。
羊の毛から採れる天然繊維で、繊維の表面に天然の油分があるため、汚れがつきにくく、耐久性にも優れています。

【メリット】
・吸湿性が高く、湿気を吸収して放湿する機能に優れる。
・汚れがつきにくい、天然の防汚性を持つ繊維。
・においが付きにくい。繊維表面のラノリン(羊毛脂)が抗菌・防臭効果を持つ。
・弾力性があり、シワにならない。
・燃えにくく、安全性が高い。
・静電気が起きにくく、埃や花粉がつきにくい。
・色褪せしにくい、長期間美しさを保つ。

【デメリット】
・水洗いすると縮んで硬くなり、フェルト化する。
・価格が高い。
・重量がある。

 
 

コットン/綿

素材 
 

【原材料】
綿花(ワタの種子のまわりにできる繊維)

【特徴】
柔らかく肌にやさしい。吸湿性・通気性に優れており、特に夏場に適しています。
植物由来の天然繊維で、ふっくらとした質感とやさしい風合いが魅力です。

【メリット】
・吸水性と吸湿性が高い。
・肌触りがやさしい。
・染色しやすく、豊かな色展開が可能。
・洗濯が簡単で、お手入れしやすい。
・天然繊維の中では比較的安価。

【デメリット】
・耐久性はやや劣る。
・湿気を含みやすく、汚れがつきやすい。
・シワになりやすい。
・色落ちや色褪せする。

 

リネン/麻

素材
 

【原材料】
フラックス(亜麻)の茎からとれる繊維

【特徴】
通気性と速乾性に優れ、サラッとした肌触りが特徴。強度が高く、繰り返し使ってもへたりにくい素材です。
茎の繊維を使っているため、自然な光沢と美しい風合いが生まれます。

【メリット】
・吸水性が非常に高く、コットンの約4倍の吸水性を持つ。
・使うほど柔らかく、しなやかになる。
・通気性が高く、速乾性はコットンの約2倍。
・非常に耐久性が高い。

【デメリット】
・肌触りが硬く、ザラザラしている。
・伸縮性が低く、シワになりやすい。
・紫外線や環境によって劣化する。
・濃い色は褪色しやすい。

 

化学繊維(合成繊維)

素材
 

【原材料】
石油や天然ガスなどの化学原料を合成してつくられる繊維(例:ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレンなど)

【特徴】
暮らしの中で目にすることの多い素材のひとつ。大量生産が可能なため、価格も比較的抑えられており、気軽に取り入れやすいのが特長です。
さらに、色や柄、織り方のバリエーションも豊富で、デザイン性を重視したファブリックにも幅広く使われています。

【メリット】
・軽量で扱いやすい。
・価格が手頃。
・洗濯が簡単で、乾きが早い。
・デザインの自由度が高く、色・柄が豊富。

【デメリット】
・静電気が発生しやすく、埃を寄せやすい。
・吸湿性が低く、蒸れやすい。
・汚れがつきやすい。
・においが残りやすい。
・長期使用で毛玉や劣化が目立つ。
・環境負荷が大きい。

 

 

素材比較表

素材

メリット

デメリット

ウール(羊毛)

・吸湿性が高い。湿気を吸収、放湿。

・汚れがつきにくい。

・においがつきにくい。

・弾力性があり、シワになりにくい。

・燃えにくく、安全。

・静電気が起きにくい。

・色褪せしにくい。

・価格が高い。

・水洗いできない

・重量がある。

コットン(綿)

・吸水性、吸湿性が高い。

・肌触りがやさしい。

・染色しやすく色展開豊富。

・洗濯が簡単。

・天然素材の中では安価。

・耐久性がやや劣る。

・湿気を含みやすく、汚れがつきやすい。

・シワになりやすい。

・色落ち・色褪せしやすい。

リネン(麻)

・吸水性が非常に高い。  (コットンの約4倍)

・使うほど柔らかくなる。

・通気性、速乾性が高い。(コットンの約2倍)

・耐久性が高い。

・肌触りが硬い、ザラザラする。

・シワになりやすい。

・紫外線で劣化しやすい。

・濃い色は褪色しやすい。

化学繊維(合成繊維)

・軽量で扱いやすい。

・価格が手頃。

・洗濯が簡単で乾きが早い。

・色や柄、デザインが豊富。

・静電気が発生しやすい。

・吸湿性が低く、蒸れやすい。

・汚れがつきやすい。

・においが残りやすい。

・長期使用で劣化。

・環境負荷が大きい。

 
 
 

比較して見えた、ウールの頼もしさ

ウール
 

各素材には、それぞれの魅力があります。
でも、ラグに求めたいのは、見た目の美しさだけではないはず。

・季節を問わず心地よく使えること。
・毎日の暮らしの中で、気軽に扱えて、手間をかけずに使い続けられること。
・年月を重ねても形が崩れにくく、美しさが長く続くこと。

こうした視点で見ていくと、やはりウールは頼もしい素材です。前述のとおり、天然の油分を含むウールは、汚れが染み込みにくく、お手入れの手間が少ないという特長があります。

吸湿性と放湿性のバランスにも優れているので、汗ばむ季節にもべたつきにくく、寒い時期にはしっかりと熱を保ってくれます。加えて、繊維そのものが弾力性を持っているため、ラグとして長く使ってもへたりにくいのです。
価格面では、コットンや化学繊維のラグが手に取りやすく感じるかもしれません。

しかし、「10年先も変わらず心地よく使いたい」と思ったとき、長持ちしてお手入れがしやすく、見た目の印象も損なわれにくいウールが、結果として暮らしに寄り添ってくれる存在になるはずです。

 
 

CONNECTがおすすめするラグ3選

素材ごとの特性や違いを知ったあとは、「実際どんなラグを選べばいいの?」と気になる方も多いはず。

ここでは、CONNECTが取り扱うラグの中から、素材ごとに特におすすめしたいウール100%、ウール&リネン、ウール&コットンの3種類をご紹介します。

 

ウール100%

Aram2 Kvadrat ラグ
▲Kvadrat(クヴァドラ)/Aram2 (アラム)

【おすすめポイント】
弾力性のあるモチっとした触り心地が特徴のAram2(アラム)は、素肌で触れると心地良さが際立ちます。
ニュージーランド産ウールを贅沢に使用し、その柔らかさと耐久性を両立。海外の空港などの公共空間にも使われており、その実績が品質の高さを物語っています。

一見シンプルに見えながらも、まだらに染められた色彩が深みを加え、二枚の葉が重なるような独特の織りが、控えめな中にもしっかりとした印象を残します。
ミニマルな空間にひと捻り加えたい方にぴったりで、静かに美しさを添えながら、ほどよい個性で空間を包み込みます。

日常のリラックスタイムをさりげなく豊かにし、洗練されたインテリアに程よいアクセントをプラスしてくれる一枚です。

 

ウール&リネン

カスタール テラッツォ
▲KASTHALL(カスタール) / TERRAZZO(テラッツォ)

【おすすめポイント】
岩石や鉱物の質感から着想を得てデザインされたTERRAZZO(テラッツォ)。
通常のウール糸2本に加え、1本のブークレ糸を織り交ぜることで生まれる立体的なテクスチャーが魅力。
リネンの糸が23%使われており、光を受けるとキラリと輝き、美しい表情を作り出します。
ウールとリネンの組み合わせは、モダンな雰囲気のなかに爽やかさを添え、ほどよい抜け感が生まれるんです。

北欧モダンにもナチュラルな空間にもすっと馴染む佇まい。素材の表情を大切にしたい方にぴったりのデザインです。

【おすすめポイント】
表面はすべてウール素材で仕上げられたKanon(カノン)。
ベースにコットンが使われているため、通気性がよく、季節を問わず快適な使い心地を感じられます。

見た目に軽やかさがありながら、しっかりとした織りで丈夫な質感。毛足が短めなのでへたりにくく、長く美しい状態を保てるのも魅力です。
デザインはシンプルで、どんなインテリアとも相性がよく、飽きることなく長く愛用できます。

ブラックカラーは空間をすっきりと引き締め、クールでモダンな雰囲気に。
色違いのホワイトカラーは柔らかく上品な印象で、キレイめやニュアンスカラーでまとめた空間にもすっと馴染み、優しい雰囲気をもたらします。

 

 

ついつい色やデザイン、価格で選びがちなラグですが、実際に使いはじめて気づくのは、素材の違いがもたらす心地よさと過ごしやすさ。
私たちは、毎日触れるものだからこそ、素材にしっかりこだわって選ぶことが大切だと考えています。
ウールの弾力、リネンが見せる美しい表情、コットン混の通気性と軽やかさ。
その組み合わせ次第で、触感も印象もガラリと変わります。

素材に目を向け、どんな空間でどんな風に使いたいかを思い描くことで、暮らしに寄り添う本当に心地よい一枚に出会えるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
素材ごとの違いを比べてみることで、ウールの良さや、私たちがウールラグを厳選して取り扱っている理由が、少しでも伝わっていたらうれしいです。

ご紹介したもの以外にも、CONNECTでは、長く心地よく使えるウールラグを豊富に取り揃えています。

また、サンプルの貸し出しや素材に関するご相談も受け付けています。
下記の公式LINE、または商品ページのお問い合わせ欄からお気軽にどうぞ。

 

次回は、『‐前編‐ そもそもラグはなぜ必要?お部屋を快適にするための選び方 【ラグ解説BLOG】』をお届けします。お楽しみに。

 

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こんにちは。ライフスタイルショップ「CONNECT(コネクト)」です。北欧のブランド(ルイスポールセン・フリッツハンセンなど)を中心に照明・家具・ヴィンテージ家具やインテリア雑貨をセレクトし、販売しています。 また、インテリアから考えるお家づくりも手がけています。

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