PK22シリーズの生みの親、ポール・ケアホルムについて

PKシリーズの中でも代表的な名作であり、一番馴染みのあるラウンジチェアが​PK22です。
そのPK22を生み出したデザイナー「ポール・ケアホルム」は、美しい家具をデザインするために、素材としてステンレススチールをいち早く取り入れました。
そんな、ポール・ケアホルムの経歴、デザインや素材に対するこだわりを知ると、PK22の奥深い魅力を余すことなく感じていただけると思います。
 
 
 
 
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ポール・ケアホルムの経歴(1929年- 1980年)

Poul Kjaerholm(ポール・ケアホルム)は、1929年にデンマーク北西部の田舎町で生ました。
15歳で家具職人に弟子入りし、18歳でキャビネットメーカーのマイスターの称号を取得しました。
​現在では金属のイメージが強いポール・ケアホルムですが、もともとは木工職人としての技術を磨いていました。
​その後コペンハーゲンの美術学校に入学します。
 
 
 
▲ハンス J. ウェグナー
 
在学中Yチェアのデザイナーとしてすでに活躍していたハンス J. ウェグナーのもとで、色々な事を学びました。
家具デザインについて、歴史に残る名作をもとに文化やスタイルの違い、また家具作りにおいて椅子の構造やタイプは根本的には同じだということもウェグナーから学びました。
 
 
 
▲PK25
 
​​ウェグナーから学んだことをもとに、卒業制作でPK25を制作しました。学生が作ったと思えないクオリティの高さから、現在のフリッツ・ハンセンのPKシリーズのラインナップに加わっています。当時の作り方とほぼ変わらない製造工程で、現在も作られています。
その後1951年にFRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)に入社しました。フリッツ・ハンセンは従来、外部のデザイナーとのコラボで製品を作り出しているブランドですが、デザイナーとしてポール・ケアホルムが入社したことは極めて異例な出来事でした。
 
 
 
▲ポール・ケアホルムの自邸(画像手前:卒業制作PK25 画像奥:PK0(試作品))
 
入社後、ポール・ケアホルムは、PK0をデザインしましたが、当時の社長ソーレ・ハンセンに製品化を却下されてしまい、彼はフリッツ・ハンセンを去ることになりました。在籍わずか1年、ポール・ケアホルム23歳の時でした。
​苦しくも彼の没後、PK0は1997年フリッツ・ハンセン125周年記念で600台のみ限定で製品化されました。今では非常に価値の高いコレクターズアイテムになっています。
PK0の製品化を却下された背景には、同年フリッツ・ハンセンは違う商品を売り出すために力を注いでいました。その製品が「アリンコチェア」です。当時の社長であるソーレン・ハンセンは、PK0よりアリンコチェアを製品化することを選択し、その結果ケアホルムは、フリッツ・ハンセンを退社することになりました。
​​フリッツ・ハンセンを退社したことは、彼のデザイナー人生において大きなターニングポイントとなりました。
退社後、約4年間にわたり彼の素材の探求は続きました。アルミ、スチールメッシュ、コンクリートなど様々な素材を探求し、長い試行錯誤の末たどり着いたのが、ステンレスと言われています。
​もし当時、フリッツ・ハンセンがPK0を選んでいれば、ステンレスを使った名作PKシリーズは生まれていなかったのではないでしょうか。
 
 
 
 
 

PKシリーズにおけるデザインの根源

▲生前時の自邸の写真(奥:PK11(チェア)、手前:PK31(ソファ))
 
​ポール・ケアホルムの作品は、まずは彼自身が自邸で使うためのものとしてデザインされました。自分が使って納得のいくものだけを世に発表するという彼の誠実さがうかがえます。
 

▲自邸でPK11に座り、作業するポール・ケアホルム
 
彼が生涯にわたり、こだわり抜き厳選されたデザインだけが、今のPKシリーズとして世に残っています。
 
 
 
彼の自邸は、奥様で建築家のハンナ・ケアホルムによりデザインされました。
​奥様は、日本がかなり好きで、自邸の至るところに日本文化を取り入れています。また、木をふんだんに使っていたりと日本の美意識を感じさせる建築になっています。
PKシリーズは、そういった自邸のために作られた家具だからこそ、日本の住宅との相性が良く、私たち日本人の生活スタイルにも馴染みやすい作品です。
 
 
 
 
 

自然素材へのこだわり

ポール・ケアホルムのデザインにおけるコンセプトとして、“美しさの基準は自然界にある”という言葉を掲げていました。
その言葉通り、彼の作品は、自然界から様々なインスピレーションを得てデザインされています。
▲奥:自然界(木)の写真、手前:PK22のフレーム
 
PK22のフレームに限らず、PKシリーズの作品のフレームは木や自然界からインスピレーションを得て、デザインされたと言われています。まるで、自然界で枝が伸びていくような生命力さえも感じさせます。
彼の作品は、シンプルで無駄がなく、本当に自然界に存在するようなデザインになっています。
 
 
 
▲天然素材を用いたPKの代表作(左上:PK63、左下:PK11、右:PK80)
 
また、素材に関しても、自然界にいた時の色合いや表情をできる限り残すというコンセプトも大切にデザインされました。
彼は、“自分を出すよりも天然素材のキャラクターを出すことの方が大事”と語るほど、天然素材の質感や風合いは、人が創り出したどんなものより美しいと考えていました。
 
ケアホルムは生前、お客さんに緑のレザーを張ったソファを作ってほしいと依頼されたものの、「自然界に緑の牛はいない。」という理由で断ったという逸話があります。それほど、彼の作品には、自然界に本当に存在する色しか基本的に使われていません。
また、色だけではなく、素材や仕上げにもこだわり、自然界の美しさというものを最も意識してデザインされています。
 
 
 
▲PK61(大理石 ホワイト ロール仕上げ)
ポール・ケアホルムの作品に使われる素材は、「この世で手に入れられる1番いいもの」と言われています。

例えば、こちらのPK61やPK54のようなテーブルは、自然界に存在する、傷のない希少価値の高い一枚物の大理石かつ、白い大理石の中では世界最高峰と言われる大理石を使用しています。

その素材を生かすために、彼は仕上げに至るまでこだわりぬきました。それが、大理石ホワイトロール仕上げという仕様です。ロール仕上げとは、石本来の表情を生かすため、表面加工を全く施されていないザラザラとした仕様です。そのため、使用しているうちに傷や汚れが付いてしまいます。

 

しかし、彼は新品のままの美しさを保つより、経年変化する「ありのまま」の美しい姿を生かすことにより、“自分を出すよりも天然素材のキャラクターを出すことの方が大事”という信念を貫きました。

 
 
 
 
また、PKシリーズのチェアやソファには、最高級のレザーを使用し、アニリン仕上げ(染料仕上げ)という革の表情を隠さない製法で仕上げています。表面加工が施されていないため革の風合いを楽しめ、経年変化が美しいですが、汚れ、傷、水に弱いという点があります。
レザーの仕上げも大理石同様、経年変化する「ありのまま」の美しい姿を生かしています。
 
レザーや石もお手入れ​は可能です。大理石のテーブルにはストーンウォッシュ(石鹸水)が付属されています。新品時に塗ることで汚れや傷がつきにくくなり、定期的に塗ることでいい状態が保たれます。無垢のテーブルと同様、汚れや傷が気になる場合は表面を削ることも可能です。
 
PKシリーズに使われている素材は「この世で手に入れられる1番いいもの」だからこそ経年変化を楽しみ、大切にお手入れしていくことで、新品とはまた違った美しさや愛着を見出しながら育てる喜びを味わうことができます。
 
 
 
 

まとめ

いかがでしたか?ポール・ケアホルムは、素材の探求を重ね、デザインの一つ一つに自然本来の美しさを生かすということを最も大切にしてきたデザイナーだと考えます。
ストイックなまでにこだわり抜き、彼自身が使うために考え抜かれた作品だけをこの世に送り出しています。日本の建築にスタイリッシュなPKシリーズを取り入れることで、空間に軽やかさが生まれます。“美しさの基準は自然界にある”というコンセプトを持つPKシリーズは、私たちの生活に自然と馴染みやすい家具なのではないかと思います。
 
 
 

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こんにちは。ライフスタイルショップ「CONNECT(コネクト)」です。北欧のブランド(ルイスポールセン・フリッツハンセンなど)を中心に照明・家具・ヴィンテージ家具やインテリア雑貨をセレクトし、販売しています。 また、インテリアから考えるお家づくりも手がけています。

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