【ルイスポールセンの魅力】「明るさ」より「過ごし方」へ。北欧照明の光の哲学と失敗しない名作の選び方

デンマークの老舗照明ブランドルイスポールセン(Louis Poulsen) をご存知ですか?
「北欧照明の傑作」「PHランプ」として知られるその製品群は、単なるデザイン照明という枠を超え、世界中の人々の暮らしを豊かにしてきました。

ルイスポールセンの魅力は、創業から150年の歴史の中で一貫して追求されてきた「光の哲学」と、時代を超えて輝き続けるデザイナーの哲学にあります。しかし、「どのモデルを選べば良いかわからない」「自分の部屋に合うコーディネートを知りたい」という方も多いでしょう。

今回のブログでは、ルイスポールセンの歴史から主要デザイナー、失敗しない代表作の選び方、そして上質な空間を実現するおすすめコーディネート実例までを解説。
ルイスポールセンの魅力やあなたの理想のお部屋づくりに寄り添い、最適なルイスポールセン選びのお手伝いができれば幸いです。

 
 
 

1. ルイスポールセンと北欧照明の真髄:「明るさ」より「過ごし方」の哲学

 

日本と北欧、「光」への捉え方の大きな違い

 

 

ルイスポールセンの照明哲学を深く理解するためには、まず日本と北欧の「光」に対する捉え方の違いを知る必要があります。
照明を検討されているお客様から、「この照明一つでは暗くないか?」「部屋の広さが○○畳なので、どのW数であれば暗くならないか?」といったご質問をよくいただきます。これは、元々「明るい空間」をベースに、それより暗くなることへの不安(暗い=寂しさ、危険、貧しさといったネガティブなイメージ)を感じている証拠です。
明るいことに慣れてしまった私たち日本人は、「暗さ」に対して非常に敏感です。
一方、日照時間が極端に短い北欧では、太陽の光を心から楽しむと同時に、長時間続く低い太陽光や、目の色の特性から「明るさや眩しさ」にとても敏感です。

 

「暗さ」をベースに必要な灯りを「足していく」北欧の考え方

 
 

北欧の照明哲学は、夜という「暗さ」がまずベースにあり、必要な場所に必要な明るさの灯りを、必要なだけ取り入れようという考え方です。すなわち、暗い空間に灯りを一つずつ足していくように光を構成します。白い光はほとんど使わず、暖かみのあるほのかな光で満たします。

この考え方から学べることは多く、明るいことをベースにして不必要な数の照明を設置してしまうと、結果的に心地よい空間につながらない場合があります。

 

器具のデザインではなく「光の出方」を見るべき

 
北欧の灯り01
 

ルイスポールセン照明は、灯りがただの明るくするための道具ではなく、「暮らしの質を高める大切な要素」であることを教えてくれます。

具体的には、部屋全体を均一に照らすのではなく、複数の照明を組み合わせ、必要な場所に光を与えます。このメリハリが、心地よい陰影を生み出し、空間に豊かな感情をもたらします。また、光の向きや量を意図的に調節することができれば、飽きることなく、その時の気分や活動に合わせて空間の雰囲気を自在に演出できるため、光をコントロールする楽しさを得ることができます。

 
 
 

2. ルイスポールセンの3つの魅力:グレアフリーな光と普遍的なデザイン

 

①【機能性】 科学に基づく「グレア・フリー」の光

 
 

ルイスポールセンの哲学を確立したのが、「光の巨匠」ポール・ヘニングセンです。
彼の照明デザインの核心は、「どんな光が欲しいのか」という機能から出発し、数学的・工学的な視点で開発された点にあります。

 

多層シェード構造の秘密:「対数螺旋」理論の応用
ポール・ヘニングセンが発明した多層シェード構造は、単にシェードを重ねたものではありません。その秘密は、シェードのエッジ部分を結んだ線が「対数螺旋(たいすうらせん)」のカーブを描くように設計されている点にあります。

グレア・フリーの実現: この対数螺旋のカーブを応用することで、どの角度から見ても光源(電球)が直接目に入らないように光が緻密にコントロールされます。これにより、100%グレア・フリー(まぶしさのない光)を実現します。

光の質の向上: 光はシェード内部で複数回反射・拡散され、眩しさを抑えつつ、照らしたい方向へ効率良く光を集めます。その結果、シェード間に美しい光のグラデーションが生まれ、空間に柔らかな陰影と奥行きを与えます。

 

②【デザイン性】 150年の歴史が証明するタイムレスなデザイン

 
 

流行に左右されない普遍性:過度な装飾を排したデザインは、インテリアのテイストが変わっても常に調和します。機能性を追求した結果生まれたフォルムは、消灯している昼間でもアートピースとして空間を引き締め、その場の格を上げます。

 

③【経済性・資産性】 次世代へ継承できる高い資産価値

 
アーティチョーク02
 

次世代への継承:ルイスポールセンの製品は、修理やメンテナンスが可能であり、高い耐久性を誇ります。

高い資産価値:時代を経ても価値が落ちにくい普遍性を持つため、購入時の価格が保たれやすく、「一生モノ」として、一種の資産として捉えることができる点も、大きな魅力です。

 
 
 

3. ルイスポールセンの礎:4大デザイナー

 
ルイスポールセンの照明の歴史は、光の理論を追求した偉大なデザイナーたちの哲学によって築かれてきました。その中でも特に重要な4名の巨匠をご紹介します。
 

PHランプの生みの親:ポール・ヘニングセン(Poul Henningsen / PH)

 
ポール・ヘニングセン
 

彼は「光の巨匠」と呼ばれ、ルイスポールセンの哲学の礎を築きました。照明理論、建築、そして批評家としても活躍したヘニングセンは、科学的根拠(対数螺旋)に基づき、グレアフリーで心地よい光の構造を確立しました。彼の代表作には、今なお世界中で愛されるPH 5や、華麗な構造を持つPH Artichoke(アーティチョーク)があります。

 

建築と光の融合:アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen / AJ)

 
アルネヤコブセン
 

「トータルデザインの巨匠」として知られるヤコブセンは、建築、家具、プロダクトデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。彼のデザインは、建築空間との調和を重視し、機能性とシャープな幾何学的フォルムを追求しています。代表作には、ミニマルな美しさが際立つAJランプシリーズがあります。

 

時代の光を捉えた建築家:ヴィルヘルム・ラウリッツェン(Vilhelm Lauritzen / VL)

 
VL_ヴィルヘルム・ラウリッツェン
 

ラウリッツェンはデンマーク機能主義のパイオニアであり、コペンハーゲンにある旧ラジオハウス(現王立デンマーク音楽アカデミー)などの傑作建築を手掛けました。彼は建築と一体化した照明デザインを得意とし、ラジオハウスのためにデザインした照明をルイスポールセンが製品化しています。彼のデザインは、有機的なフォルムと優れた機能性を両立しており、代表作にはVL45(ラジオハウスペンダント)VL Studioシリーズなどがあります。

 

色彩と造形の魔術師:ヴァーナー・パントン(Verner Panton)

 
パントン
 

パントンは、照明デザインに革新的な風を吹き込みました。「色彩と造形の魔術師」の異名を持ち、従来の固定観念にとらわれない実験的な素材や鮮やかな色彩を用いました。彼が生み出したオーガニックなフォルムが特徴のPanthella(パンテラ)は、現代でも人気の衰えない名作です。

 
 
 

4. ルイスポールセンの定番:失敗しない代表作

 

PH 5

 

PH5

 

特徴: ルイスポールセンを象徴する多層シェード構造のアイコン。食卓を明るく照らしながら、どの角度からも眩しくないグレアフリーを実現します。多層シェード構造は光のコントロールを極限まで高め、温かく心地よい空間を作り出します。

選び方のヒント: ダイニングテーブルのメイン照明として最適です。テーブルサイズ(直径120cm程度)に合わせて選ぶと、最高の光の質を得られます。豊富なカラーバリエーションは、空間のアクセントにも溶け込みにも対応可能です。

 

PH Artichoke(アーティチョーク)

 

 

特徴: 72枚の羽根を持つ彫刻的なペンダントライトです。光源が完全に隠れており、眩しさが一切なく、華やかで均質な光を放ちます。その複雑で精緻な構造は、点灯時だけでなく消灯時も空間のシンボルとして存在感を放ちます。

選び方のヒント: 吹き抜けや広いリビング、エントランスなど、シンボリックな空間の主照明として、空間の格を上げたい場合に最適です。サイズが大きいため、設置場所の空間の広さや天井高とのバランスを考慮することが重要です。

 

Panthella(パンテラ)

 
 
 

特徴: ヴァーナー・パントンによる、有機的なフォルムと柔らかな光の拡散が魅力のムードランプです。半球形のシェードを通した光が、優しく空間を包み込みます。近年はコードレスで家中どこでも持ち運べるポータブルタイプが、その手軽さと高いデザイン性から非常に人気を集めています。

選び方のヒント: リビングのサイドテーブルや寝室など、間接照明やムード照明として活躍します。コード式は設置場所に固定された柔らかな光を、ポータブルは電源のない場所で「ヒュッゲ」な光を楽しむなど、用途によって使い分けましょう。

 
 
 

5. ルイスポールセンで実現する上質な空間:おすすめコーディネート実例

 

ルイスポールセン照明の真価は、複数の光を組み合わせることで発揮されます。「暗さ」をベースに「必要な灯り」を足していくという北欧の哲学に基づき、空間にメリハリと豊かな陰影を生み出すコーディネートを実践しましょう。

 

ダイニング:団欒の場を際立たせる光

 

 

ダイニング空間では、食事や家族との会話といった「行動」に光を集中させることが重要です。

まず、テーブルの上にはPH 5(ペンダント)などのシェード照明を吊るし、食卓を効率良く照らす機能光とします。これにより、周囲の空間よりも照度が高くなり、自然と視線が食卓に集まり、団欒の場が強調されます。

さらに、食後のリラックスタイムには天井の光を落とし、壁際のサイドボードなどにパンテラポータブルなどのムード光を加えます。暖かく優しい間接光が部屋全体のトーンを整えることで、心地よいヒュッゲな雰囲気を演出できます。

 

リビング:必要な時に、必要な場所を照らす光

 

リビング①

 
 

リビングでは、天井の全体照明を控えめにし、多灯使いで光のバリエーションを持たせましょう。

ソファの横には、Yuh(ユー)フロアランプなどの機能光を配置します。これは、読書や手芸などの手元作業を行うための光です。天井の光を消して手元だけを照らすことで、空間に立体感が生まれます。また、リビングの一角や飾り棚には、PH 2/1 Portable(ポータブル)などのテーブルランプや、 VL Ring Crown(ウォールランプ)を装飾光/ムード光として加えます。これにより、光の層が深くなり、ただ明るいだけでなく、リラックス感あふれる上質な空間を実現できます。

 
 
 

まとめ

今回のブログでは、ルイスポールセン照明の根幹にある「明るさ」ではなく「過ごし方」に重きを置いた北欧の光の哲学を深く解説しました。ルイスポールセンがもたらすのは、単なる明るさではありません。それは、「暗さ」をベースに光を足すことで生まれる、心からリラックスできる上質な空間そのものです。PH 5に代表されるグレアフリーな光と、時代を超越する普遍的なデザインは、あなたの暮らしを生涯にわたり豊かに彩り、次世代へ継承できる高い価値を持っています。

このブログが、あなたの空間に最適なルイスポールセン照明を選び、豊かな「光の体験」を楽しむきっかけとなれば幸いです。

 
 
 

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出産・育児を経て久しぶりに社会復帰しました。毎日素敵なインテリアに囲まれて仕事をしています。自分の経験を活かしてお客様のお役に立てる情報発信に努めていきたいと思っております。

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