「KARIMOKU CASE STUDY が生まれたきっかけ」芦沢啓治×CONNECT対談
日本を代表する老舗家具メーカー「カリモク家具」から生まれた新ブランド「Karimoku Case Study(カリモクケーススタディ)」。心地よい空間づくりを目指し、これまでの家具づくりにとらわれない新たなアプローチに挑戦しています。
「Karimoku Case Study」のデザイナーであり建築家である「芦沢啓治」さんをゲストに迎え、Karimoku Case Studyが生まれたきっかけやどんなことを大切にしているのか、建築業界・家具業界について思うことなどをじっくり聞かせていただきました。その様子がCONNECTのYouTubeに本日公開されました。他では聞けない貴重なお話もあり、とても楽しい時間になっています。ぜひご覧ください!
ゲスト:芦沢啓治(あしざわけいじ)氏
東京にて芦沢啓治建築事務所を設立。建築設計にとどまらず、家具・照明デザイン、金物製作など建築空間にかかわる多くのものを手掛けています。素材との対話を通じて、特性を最大限引き出す「正直なデザイン」が特徴。空間からデザインを考え、理論だけでなく、そこで暮らす人の生活をイメージし、現場での様々な気付きを大切にしています。
Karimoku Case Studyの立ち上げから携わり、空間デザインから家具デザインまでを行い、Karimoku Case Studyのコレクションを生み出しています。
Karimoku Case Studyとは
「Karimoku Case Study(カリモクケーススタディ)」は、カリモク家具が2019年に立ち上げたブランドです。
国内外の建築家やデザイナーと組み、具体的な建築プロジェクトを通じて、その建築・空間に最適な家具をデザインし、製品化するという新たな試み。
カリモク家具が長年培った高度な技術と良質な素材で、「静謐な美への敬愛」、「素材の豊かな表現」、「時間に左右されない魅力」を大切にし、同じ意識をもつ建築家たちとともに、プロジェクトごとに特色あるコレクションを生み出しています。
Karimoku Case Study HPはこちら
「空間から家具を考える」という新たなアプローチ
ケーススタディというブランド名は、1940年代・米国の「ケーススタディハウス」に着想を得ています。
チャールズ&レイ・イームズなど著名な建築家が、モデル住宅のインテリアも含めて設計する実験的プロジェクトでした。ここで生まれた住空間と家具は、モダニズムを代表する傑作として今も知られています。
デンマークでは、アルネ・ヤコブセンが「SASロイヤルホテル」の建築を設計し、その建築・空間・用途に合わせて【エッグチェア】や【ドロップチェア】といった新たな家具を生み出したように、心地よい空間を作るという目的において、建築と家具は切り離せない存在です。
▲SASロイヤルホテル Photo Copyright : Fritz Hansen
これまでの日本の家具作りにおいては「物ありき」の考えがあり、カリモク家具においても最高品質の家具を作ることに重点を置いてきました。しかし、より家具を建築と一体のものとして、その空間で生活する人を考えたものづくりをしたいという想いから、「空間から家具を考える」という新たなアプローチに至りました。
この新たなアプローチを取ることで、これまでたどり着かなかった、人々が暮らしの延長線上に求めている理想の家具の在り方を目指しています。
CONNECTが考える心地よい空間づくりと共感
CONNECTでは、インテリアを通して、シンプルで心地よい暮らしのお手伝いをさせていただくことをミッションとしています。心地よい空間づくりには、家具と建築はとても大きな役割とつながりを持ちます。建築を建てた後にインテリアを考えるのではなく、「どんな空間で、どんな時間を過ごしたいのか」ということを建築と家具を一緒に合わせて考えることがとても重要だと思っています。使われる光景をイメージし、空間を作っていく。
そんなCONNECTの想いと、「Karimoku Case Study」の家具づくりのアプローチは共感するところが多く、取り扱いをさせていただくことになりました。「Karimoku Case Study」では、建築と家具が同じコンセプトのもとデザインされることで、一体感のある、より洗練された空間を作り上げています。
Case Study 第一弾「KINUTA PROJECT」
第一弾となる「KINUTA PROJECT」は、東京都世田谷区砧(きぬた)にある「砧テラス」で生まれたコレクションです。
砧テラスは、大きな窓と緑豊かな中庭を持つメゾネットマンション。
Norm Architects(ノーム・アーキテクツ)と芦沢啓治建築設計事務所の2つのデザイン事務所が、砧テラスのリノベーションデザインを行い、その空間に合わせて12タイプの家具を制作しました。
砧テラスの建築は、もとの構造を生かした直線的でシンプルなデザイン。中庭の緑へと空間がつながるように、インテリアには自然素材を使い、フローリングや壁材は肌触りを感じるもので素材感を大切にしています。
大きな窓から差し込む光と、木々の影。ゆったりとした時間が流れます。
この空間に合う最適な家具とはー
心地よい落ち着いた空間を作り出す、控えめでありながら洗練されたデザイン。
肌触りのよい良質な素材と、素材の良さを引き出す技術。
そして、ゆったり時を過ごすために欠かせない快適性。
これらが「KINUTA PROJECT」で生まれた家具の共通テーマとなっています。
Norm Architects
デンマーク・コペンハーゲンを拠点に活動するデザインスタジオ「Norm Architects(ノーム・アーキテクツ)」。「ソフトミニマリズム」というデザイン哲学のもと、建築やインテリアデザイン、アートディレクションなど広い分野で活躍しています。見た目の美しさだけでなく心地よさを共に追求することで、空間はより考え抜かれたものとなり、ミニマリズムは柔らかさをまとう。加えるものも削るものも何もないという、絶妙なバランスと自然な心地よさを追求しています。
まとめ
いかがでしたか? 芦沢さんのお話を通して、Karimoku Case Studyが何を大切にしているのかということを知り、より魅力を感じていただけたのではないでしょうか。現在、Karimoku Case Studyのコレクションは、Case01から始まり、Case04まで発表されています。新しい挑戦を続けるKarimoku Case Studyにこれからもぜひご注目ください!
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この記事を書いた人
CONNECT
こんにちは。ライフスタイルショップ「CONNECT(コネクト)」です。北欧のブランド(ルイスポールセン・フリッツハンセンなど)を中心に照明・家具・ヴィンテージ家具やインテリア雑貨をセレクトし、販売しています。 また、インテリアから考えるお家づくりも手がけています。